泥沼っしぐら


 

【俺達は】好きな人に好きな人ができた【ホモ】

《ホモーズ》  やっほー、ホモーズだよ。 《文学少年》  元気だな。 《乙女》  ホモと聞いて。 《前世からの》  乙女って、名前wwwネカマっぽいwww 《カメ子》  君も、前世からの…なに? 《前世からの》  ヒント→ここはリア充チャット。アンサー→前世からのリア充 《カメ子》  OK把握した。 《ホモーズ》  たったら書こうと思ってたけど、予想以上の食いつきに驚いてる。  な、ホモは需要あるのな。  なぁ。 《文学少年》  これは、二人以上で会話してるのかな。 《乙女》  分かりづらいから分裂してよ。 《ホモーズ》 (ふわふわ)じゃあ俺これ。 (さらさら)ん、じゃあ俺これ。ってことで、分かりづらそうなときはしゃべる前に名前入れるんでいい? 《文学少年》  わー、分かりやすくなったね。 《前世からの》  文学少年さんって天然入ってるね。 《文学少年》  よく言われる。 《カメ子》  それよりホモ話詳しく。 《乙女》  さすが腐女子。だけどそんなところが好きよ。  ┌(┌^o^)┐ホモォ…同士… 《カメ子》  残念、腐男子だ。 《ホモーズ》 (ふわふわ)≪カメ子 なん…だと? (さらさら)じゃあ、スペックからな。  ふわふわ:高1男子。ふわふわ髪。キラキラきゅるるん系イケメン。バカかわいい。身長168cm。わりと良いとこの私立の特進クラス。  さらさら:高1男子。さらさら髪。艶めかしいイケメン。いいカッコしい。身長170cm。特々クラスの上成績上位。  ベリショ(好きな人):高1男子。ベリーショート。可愛い。どんぐり眼。メガネ。性格男前。身長163cm。特々クラス。成績首位独占。  イケメン(好きな人の好きな人):高1女子。セミロング。女子にもてもて。俺たちよりもてもて。身長172cm。特進クラス。 《文学少年》  スペック高い。素敵。 《前世からの》  自分でイケメンって言っちゃうところとか潔い。 《カメ子》  女子が一番背が高い件。 《ホモーズ》 (ふわふわ)≪文学少年 優しすぎww吹いたww (さらさら)≪前世からの スペックはお互いに書き合ったから自分で言ったわけじゃない。 《乙女》  特進と特々ってどう違うの? 《ホモーズ》 (さらさら)特々は本当に成績上位の奴しか入れないうえに申請期間が短い。ふわふわは頭が足りなくて、イケメンは公立も受けたから申請に間に合わなくて特進。特々と特進はクラス違うけど同じ新設校舎。ちょーきれい。あと、どっちも授業料免除。特々は修学旅行費も免除。 《カメ子》  わーすごい。で、続き、早く。風邪ひきそう。 《ホモーズ》 (ふわふわ)欲望に忠実でいらっしゃるww (さらさら)服を着てくれ。  まあ、いいや。じゃあまずは俺たちの馴れ初めを聞いてくれ。 ******  物心ついたころから、田中雅彦、佐藤裕介、鈴木真琴の三人はいつも一緒だった。でも、幼稚園の頃は他にも友達がたくさんいた。三人は確かに仲が良かったが、今ほど依存した関係ではなかったのだ。  その関係が少し変わったのは三人が小学校三年の時。雅之の家が近所にスーパーの支店を出したのがきっかけだった。雅彦は、皆から仲間はずれにされた。  雅彦の家は、全国チェーンの赤丸スーパーの社長だということはみんな知ってた。学校には、商店街の子供たちもたくさん通っていて、スーパーの悪口をさんざん聞かされたに違いない。  梅雨のことだ。雨が降っても、気温が下がることは無く。高い湿度が不快指数ばかりを上げていた。  教室にいる時間を少しでも短くする目的で、いつも通りぎりぎりに登校した。昇降口に他に人は少ない。 「――っ」  上履きをとろうとして、手を引っ込めた雅彦。その拍子に転がり落ちた上履きには、錆びた画鋲が固定されていた。  ご丁寧にも指で触れる踵部分にセロハンテープで張り付けられたそれ。雅彦の指に小さな赤い点ができて、膨らんで、零れ落ちた。  真琴はとっさにその指を口に含んで、乗り遅れた裕介は何も言わない雅彦を後ろから抱きしめた。 「離れろ。」  平坦な声で雅彦が言う。こんなことをされても、メガネの奥の強いまなざしは変わらない。雅彦のどんぐり眼は潤んでさえいなかった。 「俺と一緒に居たら、お前らまでなんか言われるぞ。」  真琴が彼の傷口を舐めた。ぴくっと咥えた指先が震えるが、彼の表情は変わらない。  雅彦は、昔から、三人の中では大人しい方だったが、最近はほとんど感情を表に出すことが無くなった。それでも、幼馴染二人には表情筋の僅かな反応から、彼の纏う空気から、彼が本当は傷ついていることが分かった。  指から口を離した真琴は、裕介ごと雅彦を抱きしめる。裕介がふわふわの髪を雅彦の右肩に、真琴がサラサラの髪を雅彦の左肩に擦りつける。こうすれば、雅彦の周りは味方しかいなくなる。 「良いよ別に。」  真琴と祐介は、そう二人で同時に言って、裕介がわざと明るい声で続けた。 「というか今さらだろ。俺らの親父、お前の親父の部下じゃん。」 「お前らと親父は関係ないだろう。」  雅彦が腕の中から逃げ出そうとするから、逃げないように力を入れる。 「悪い。言い方が悪かったな。家なんて関係ない。俺らはお前の子分なんだ。」 「他人に何を言われても気にならない。お前といられない方がずっと辛い。」  二人がかりで言い聞かせると、雅彦の空気がやっと少し柔らかくなった。  俺たちの雅彦を気づ付けるなんて、絶対に許せない。  二人は完全に周りを敵とみな、三人は互いに依存していった。 ****** 《文学少年》  予想外にシリアスだった。 《乙女》  子分ってなに?上下関係あるの? 《ホモーズ》 (ふわふわ)子分は別に良いように使われてるとか言う意味じゃないぜ。 (さらさら)財閥子息が幼稚園の一個上に居て、その人が素敵に俺様で。ベリショを子分とか言って可愛がってたんだ。 (ふわふわ)それが羨ましくて、「ベリショがブルジョワさんの子分なら俺らはベリショの子分になる。」って言ったのが始まり。 ******  四年に上がっても三人は同じクラスだった。雅彦の周りの変化に気が付いた学校側の配慮だ。  教室に入ると、一人のイケメンがたくさんの女子に囲まれていた。裕介と真琴も顔が良いから、他校にファンクラブができているらしいが、この学校ではそんなものは無い。だからそんな現象を見たのは初めてだった。  イケメンは雅彦の隣の席で、裕介と真琴の席はその後ろだ。雅彦を女子群れに放り込むのは嫌だった二人は、彼を自分たちの席に座らせようとした。でも近づいたら女子が散った。  雅彦はもちろん、雅彦といつも行動を共にしている裕介たちとも、仲良くする奴はいない。商店街の子供でなくても、三人と関わることで、仲間だと思われたら何をされるか分からないから。だから避けたのだろう。  イケメンは三人に気が付くと、ほっとした顔をした。実は女子に囲まれて困っていたらしい。それが山田太陽(さん)だった。  山田は他の奴らと違って、三人に普通に接っしていた。スーパーのことは知っていたから、クラスの子が三人を避けるのもしょうがないと思っているが、自分は何とも思っていないから普通にしているし、雅彦が嫌がらせを受けているとは知らないから、特に他の子に何か言うことも無かった。 「俺たちは雅彦の子分だからな。」  何かの拍子に俺たちがそう言うと山田は眉を顰めた。 「お前たち、友達じゃないのかよ。」 「友達じゃない。子分だ。」  雅彦の言葉に山田はますます表情を険しくした。 「子分は友達以上恋人未満だ。」  しかし、続いた言葉に彼女は破顔する。 「恋人にして~」  すぐに二人が雅彦に抱きついて、いつものじゃれ合いになってしまったから、その時は気づかなかったが、もしかしたら雅彦はこの時から山田に惹かれていたのかもしれない。 ****** 《前世からの》  幼馴染、おいしいです。 《文学少年》  まさかのイケメンも幼馴染。 《ホモーズ》 (さらさら)イケメンとは小学校しか一緒じゃない。クラスも同じになったのはその時だけ。 (ふわふわ)俺たちは幼稚園入る前からずっと一緒。 (さらさら)周りの空気が悪すぎて中学はちょっと遠くのところに行ったから。で、高校で再開したイケメンはイケメン度もアップして、 (さらさら)ベリショはメロメロ。 (ふわふわ)…… (さらさら)……  認めませんけどねぇっ!! 《カメ子》  三人の絆は特別ってわけね。3Pを希望する。 《乙女》  ベリショが予想以上に男前で惚れる。 《ホモーズ》 (ふわふわ)≪乙女 親分は俺のだからダメ。 (さらさら)いや、お前のじゃないし。 (ふわふわ)はあ!? (さらさら)だって俺の方が親分を楽しませる自信がある。 (ふわふわ)ばかいってんじゃねえよ。俺の方が――っ、てなっ!? (さらさら)俺の方が何だって? (ふわふわ)や、ちょっと…っ――ン…っ  なーんつって、ボン! 《前世からの》  何してんのwww 《文学少年》  ライバルなのに仲良しなお前らに萌えた。あと誰かカメ子に突っ込んで。 《カメ子》  突っ込むとか止めて。僕、腐男子だけどホモじゃないんで。 《文学少年》  そっちじゃないww 《前世からの》  ≪文学少年 そう言えばライバルだったww  なんで二人でスレ立ててるの? 《ホモーズ》  ふわふわはパソコン持ってない。今サラサラの家。ちなみに俺たちの家はベリショの家を挟んで隣り合ってる。 《文学少年》  ≪俺たちの家はベリショの家を挟んで隣り合ってる。 やばい。それ、なんて俺特。 《カメ子》  ≪文学少年 奇遇だね。 《乙女》  腐男子、腐女子が滾ってまいりました。 《前世からの》  ホモーズは結局どうなりたいの。 《ホモーズ》 (ふわふわ)ベリショを全力で邪魔したい。 (さらさら)俺たち以外の奴とくっ付くなんて許せない。 《文学少年》  どっちかとくっ付くのは良いの? 《ホモーズ》 (ふわふわ)それもやだ! (さらさら)どっちかがくっ付いたらどっちかが一人になるんだろ!俺がくっ付いてもこいつがくっ付いてもダメだ! 《カメ子》  もう、きみたちがくっ付いちゃいなよ。 《ホモーズ》 (さらさら)何を言う。 (ふわふわ)山田優 《文学少年》  古いww 《前世からの》  それだ! 《乙女》  どれだ? 《前世からの》  二人がくっ付いたふりをするんだよ。どうせいつもホモーズはベリショに好き好きアピールしてるんでしょ? 《ホモーズ》  なぜわかった。 《前世からの》  分からいでか。  じゃあ、引くしかないじゃない。で、様子を見てみよう。 《乙女》  いつもべったりな二人が離れていって、不安になるベリショ。 《文学少年》 (ベリショ)あいつら、なんで最近好きって言ってこないんだろう。俺のこと、飽きたのかな…。あれ、何だろ、胸が苦しい。これってもしかして…… 《カメ子》  おまえら結婚しろ。 《文学少年》  俺もう相手いるんだ。 《乙女》  ふられた。 《ホモーズ》  分かった。早速明日からやってみる。 《前世からの》  いてら。 《文学少年》  がんばれー。 《乙女》  進展したら報告! 《カメ子》  3p期待してる。





 

【もやっとボール】親友に親友ができた【投げたい】

《san》  保育園から中学までの親友と高校別になった。一学期の内はちょくちょく会ってたけど、二学期になって転校してきた奴と仲良くなったらしくて、遊びに誘われなくなった。 《元気っ子》  2番ゲット!何ていうか、ドンマイ!もやっとボール懐かしす! 《前世からの》  経緯プリーズ!と、思ったらもう書いてた。じゃあスペック。 《san》  私:JK1年、男より女にモテる。  兎:DK1年、親友…だよな?可愛い。金髪、蒼目、ハーフ。女より男にモテる。兎が好き。  創:DK1年、兎の親友。真ん中分け、元気、家庭的。詳しくは知らない。  このスレは愚痴を聞いてほしくて立てた。 《テディ》  5スレ目で飛び込んだら、すでに経緯もスペックも出ているだと?この主、やるな…(ゴクリ  自分のスペックが少なすぎるけど。 《前世からの》  同性からモテる人って、良いよね。そう言う魅力があるってことでしょ。 《san》  ≪テディ 人が少ないから流れないだけじゃないか?でも良いや。のんびりやりたいから。あと、スペックは書くことないし。  ≪前世からの ありがとう^^ 《テディ》  そう?じゃあ、こっちものんびり聞く。話したいこと話して良いよ。 《前世からの》  もうレスから良い人オーラが溢れてるよww 《san》  二人とも、ありがとう。  ≪テディ じゃあ、お言葉に甘えて。  兎には二人お兄さんが居るんだけど、末っ子気質ってやつで、すごく甘え上手で、みんなから可愛がられてる。  で、私は5人兄弟の一番上で、甘えてくる兎をもう一人の弟みたいに思ってた。  保育園のころは、泣いてる兎の言葉を訳せるのは私だけだったし、分からなことはとりあえず聞いてくるし、意地悪されて泣いてても私が撫でてやると、最後にはにぱぁって笑った。  私の妹や弟たちとも仲が良くて、小中学校のころは、良く家に遊びに来て一緒にゲームしてた。 《元気っ子》  なんだかほのぼのするね。 《テディ》  癒されエピソードだ。 《前世からの》  兄弟多いね。 《san》  ほのぼのだね。私も楽しかったな、て思う。  兄弟は下から、三つ子の弟、妹、私だよ。  前に書いた通り、私と兎は別の高校に行くことになった。幼馴染みんなで同じ高校を受験したんだけど、私だけ落ちちゃったんだ。 《テディ》  それは、辛いね。 《元気っ子》  俺は、受験じゃないけど、親の転勤で学校変わるってなった時、友達と離れるのすごく辛かった。 《san》  寂しくさせてごめんね。  でも、確かにショックだったけど、私の場合引っ越したとかではないし、もともと同じ学区内だから、高校が別になっても会おうと思えば会えたから、それほど落ち込まなかったよ。高校でも、小学校時代の友人と再会できたし。 《元気っ子》  そっか、良かった。俺も、新しい学校で友達いっぱいできたよ! 《テディ》  ≪元気っ子 良かった。  それで、スレタイの話になるんだけど、二学期になって、兎の学校に転校生が来たんだ。  彼の話は、兎と、幼馴染の千に聞いた。  千のスペックいる? 《前世からの》  話に関わってくるなら欲しい。 《san》  じゃあ、書く。  千:JK1年、小さい、伊達メガネ、男装、    ツンデレが空回って、昔は兎を泣かせてたけど、今じゃヒーロー 《テディ》  ここに来て一番の問題スペックが登場。 《前世からの》  キャラ濃いなぁ。 《テディ》  かく言う僕はセーラー服で学校に通うDK1年なわけだけど。 《前世からの》  ≪テディ キャラ濃いなぁwww 《元気っ子》  あれ、これって 《水色兎》  ≪元気っ子 黙って。 《元気っ子》  !!  ≪水色兎 はい! 《san》  ≪テディ あいつの他にもそんな人いたんだな。  ≪元気っ子 ?  転校生が来た時、二人から送られてきたメールを晒す。    兎から  なんか、変な子が転校してきた。付きまとってくる。鬱陶しい。sanちゃんに会いたいよぉ><  千から  面白い奴がはいってきた。あの兎にうざがられるのww相当www  振り回される兎マジ面白い。 《テディ》  千www良いキャラしてるwwww 《san》  兎からは転校生が鬱陶しい、って内容のメールが頻繁に来るようになって、今は落ち着いたけど、それでもちょくちょく来る。 《前世からの》  それって、兎は迷惑がってるんであって、二人は親友じゃなくない? 《san》  いや、同時進行で千からもメールが送られてきてて。    創がやったwww(兎の制服の肩に兎のアップリケが付いてる画像付き)とか、  ひな鳥がコアラに進化したwww(創が兎の背中にしがみ付いてるのに、兎が平然と歩いてる画像付き)とか、  創のクッキーうめぇwww(皆でクッキー食べてる画像付き)とか、  あと、これは兎の兄さんからなんだけど、天使可愛すぎます。(兎と創が兎のぬいぐるみに埋もれて寝てる画像付き)とか。  楽しそうじゃないか…… 《テディ》  これはwww兎がツンデレwww 《前世からの》  と言うか、学校違うのにこんなにメールくれるって、千sanのこと大好きじゃんww 《san》  こいつ、知らないうちに彼氏できてたんだけど。  まあ、彼氏ができて千がツンデレから男前にジョブチェンジしたら、比例して兎がツンデレになったていう感はある。 《テディ》  おうふ… 《水色兎》  でもさ、親友に新しい友達ができても良くない?sanと友達じゃなくなったわけじゃないんでしょ?それに、sanだって高校で友達できてるし。 《san》  ≪水色兎 確かにそうだよな…あれ?なんで私こんなにモヤモヤしてるんだろ。 《前世からの》  そこはさ、割り切れないところもあるじゃん。誰かの一番になりたいって、重いとか、お前は彼の何なんだよ、とか思うかもしれないけど、sanもそれが理不尽だって分かってるから、リアルでじゃなくてここで相談してるんでしょ。 《水色兎》  それは分かってる。でも、僕が言いたいのは、sanの兎への気持ちって、本当に友情なのかな、てこと。 《san》  え 《テディ》  ああ、ね。  そうだ、sanはさ兎のことどう思ってるの? 《san》  いや、私は、ただ、可愛い弟みたいな存在で、可愛くて、大好きだけど、それは恋愛感情ってわけじゃなくて好きだけど、可愛いけど、大好きだけど…  ごめん、なんか泣きたくなってきた…  明日休みだけど、妹とその友達と遊び行くから今日は落ちる。何かあったらまた来る。愚痴聞いてくれてありがとう。お休み。 《前世からの》  あっ、うそ 《テディ》  逃げた…だと? 《水色兎》  これだけ好きだ可愛いを連呼しておいて… 《前世からの》  まあ、また何かあったら来るって言うし、気長に待とうか。 ******  十月も半ば入り、ようやっと気候は秋、と断言できるほど涼しくなった、日曜日。膨れたエコバックを片手に、商店街を歩いていた三反田巧太郎は、前方に見慣れた金髪を見つけて、駆け寄った。 「光!」 「うわっ」  振り返った彼、藤本光は巧太郎を認めると、眉を顰め、口元を歪めた。 「うわって、なに!?止めてその顔!」 「何なのお前なんで居るの。」 「お前じゃなくて巧ちゃん!」 「はいはい、うざいうざい。」  すぐに前を向き直った光は、こちらを見ないまま手の甲を振ってしっし、と巧太郎を追いやる仕草をする。しかし、巧太郎はにこにこ笑って、そこに留まったままだ。 「…なんでまだ居るの、巧ちゃん。」 「うん!あのな、俺な、お菓子の材料買いに来たら、福引でケーキバイキングの無料券当たったん!」  エコバックを広げて嬉しそうに話す巧太郎。視覚から糖分を補給できそうだ。 「へー、聞いてない。あ、動いた。」  心の尻尾を振る巧太郎を一瞥してやり過ごす光はつれない。  仕方なく巧太郎も、その視線を追うと、茶髪のイケメンと、ショートの少女と、ツインテールの少女がコンビニから出て、アイスの袋を開けているところだった。 「誰?」 「太陽ちゃんと葵ちゃんとまゆちゃん。」 「…?」 「昨日のチャットに居たでしょ?元気っ子。」 「sanちゃん!?」 「はいな。」 「光のこと大好きな幼馴染の太陽ちゃん!?」 「はいな。」  そうと分かって巧太郎はもう一度三人をよく見てみる。  クラッシックなワンピースを着た大人しそうなツインテールと、Tシャツワンピにレギンスを合わせた眉上の前髪が活発そうな内巻きセミロングの女の子。  そして、二人に挟まれたその人は、背は170程はあるだろうか、黒のTシャツに薄手のグレーのセーター、下はデニムのパンツで服装はいたってシンプルだ。しかし、瞳は切れ長で、全体的にしゅっとして、そのシンプルな服をとてもスマートに着こなしている。髪は長めだが、後ろでバレッタで纏められているため、ナンパな感じはしない。 「男前~!」 「ねー。」  彼女を評価する弘太郎に嬉しそうに同意する光。 「で、光は何してるの?」 「何って、…何してるんだろ…?」 「知らんがな。」  二人はアイスを食べながら歩く三人の後ろを距離を置いて、ただ付いていく。  昨晩、チャットで、太陽を特定した巧太郎は、そのことを言おうとして、光に止められた。「もうすぐ気付くから待って。」って、 「てかさー。」 「ん?」 「気づいてるよね。」 「え、嘘!?」  回想の延長で呟いた巧太郎の独り言に、光が大げさに反応する。彼の視線を追うと、その先のまゆと目があった。 「あー…退散するべぇ。」  光の言葉を最後に、二人は三人から背を向けた。が、 「きゃっ」  小さな悲鳴に、また向き直る。 「何してくれてんだよてめぇ!」 「ご、ごめんなさいっ」  すれ違いざま、葵が男にぶつかり、アイスで男の服を汚してしまったようで、分かりやすい因縁を付けられていた。 「ごめんで済んだら警察は居らねぇんだよ。どうしてくれんだ、この一張羅!」  プリンになった汚い茶髪の男が醜い顔で迫るので、葵はおびえてしまう。太陽は、そんな妹を背中に庇うと、自分が男に向き合った。 「すみません。クリーニング代はお支払いしますから。」  男は、立ちふさがる彼女の顔をまじまじと見やる。 「クリーニング代ねぇ、でも、それじゃぁ足りねぇなぁ。」  太陽の細い顎を掴んで、狐のような顔を近づけた。 「その綺麗な面殴らせろや。」 「なっ、」  太陽は、言われた台詞よりも、顔の近さに身を引こうとする。 「俺はイケメンが大嫌いなんだ――ヘブッッッ!!」  ブサメンが飛んだ。  一瞬、状況が理解できずに呆然とする。目の前では幼馴染がばんばんと手についた砂を払っていた。 「汚い手で触んな、屑が。」  可愛い彼の口から吐かれた汚い罵倒。 「光…」 「ピカリン!」 「光!」  太陽のつぶやきは後ろ二人の声にかき消された。 「ピカリン!とび蹴りかっこよかったよ!ありがとう!」 「光!ちょーすげーっ!綺麗に決まったな!」 「葵ちゃん、ありがとう。大丈夫?怪我しなかった?巧太郎うざい。」 「巧ちゃん!」  駆け寄ってきた葵の頭を撫でながら、巧太郎に対する嫌味も忘れない光だが、巧太郎は嫌味の方ではなく、その呼び名に不満を唱える。 「はいはい、うざいうざい。」  そんな彼を適当にいなす光。太陽はそのやり取りを茫然と眺めていた。 「太陽ちゃんも、平気?」 「え、ああ。」  声をかけられて、はっとする。  うわの空だった太陽を心配してか、光は、太陽の頬を両手で包みこみ、覗いてきた。太陽の頬が一瞬で赤く染まる。 「良かった。」  ふわっと笑うとすぐに離れてしまった彼。 「行くよ、巧ちゃん。」 「え、何処に?」 「ケーキバイキング。」 「一緒に行ってくれんの!?」 「今、無性に甘いものが食べたくなった。」  二人は硬直する太陽を置いて、去っていった。 ****** 《san》  うわぁぁぁぁぁぁああんっ/// 《前世からの》  どうしたしww 《テディ》  昨日の落ち着きはどこへwww 《san》  今日妹とその友達と出かけたら兎と創に会った。 《前世からの》  おおっ! 《テディ》  それで? 《san》  妹がヤンキーにぶつかって、食べたアイスがヤンキーの服について、絡まれて、謝って、クリーニング代払うって言ったら、それじゃ足りないから殴らせろって言われて、顔掴まれたら、ヤンキーが飛んだ。 《前世からの》  もう少し分かりやすく。 《san》  ヤンキーに絡まれてたら、兎がとび蹴りでKOした。 《前世からの》  わぁ分かりやすい。  どういうこと? 《san》  兎と創は一緒に遊びに来てたらしいんだ。それで、たまたま絡まれてる私たちを見つけて助けてくれたらしい。  それで、なんで私が取り乱してるかって言うと、その、助けてくれたのが嬉しいのと、カッコ良かったのと、助けてくれた後にわたしの顔手で包んで覗き込んで「大丈夫?」って聞いてきたのがあざとくて、顔近くてなんかもううわぁぁぁぁぁぁ 《テディ》  おちつけwww 《san》  しかも私が大丈夫だって分かったらふわって笑って、至近距離で天使の笑顔を見ちゃってうわぁぁぁぁぁぁぁぁ 《テディ》  もう認めちゃいなよwww 《san》  ………… 《前世からの》  好きなんだろう? 《san》  でも、私は、全然女らしくない…  私だったら、創の方がよっぽど可愛い。 《前世からの》  あ、認めた。 《テディ》  認めたうえで何か言いだした。良いよ、聞くから続けて。 《san》  私、もし兎が誰かと恋愛関係になるとしたら、千とだと思ってたんだ。  兎は小さいころからみんなに可愛がられてたけど、素直じゃない千はいつも空回って兎を泣かせてて、言い方を変えれば、千だけが兎を甘やかしてなかったんだ。  二人はいつも喧嘩してるのに、お互いが大好きで、千は、兎を「うざい」「甘えんな」「こっちくんな」とか言いつつ絡みに行くし、兎は何度泣かさらても、笑顔で「千ちゃん遊ぼー」って、玩具持って誘いに行くんだ。でも、その頃は多分、それでも兎は私に一番懐いてた思う。 《san》  実は、兎は小学校に上がるまで、自分を女だと思ってて、私たちも兎は女だと思ってた。  それで、小学一年の夏、プールが始まる前に、兎は親から自分が男だと聞かされて、次の日、髪を切った兎はそのことをクラスでカミングアウトした。  女か男かなんて、光はあんまり気にしてなくて、だから、親に言われた時は普通に受け入れた。でも、クラスメイトはそうじゃない。  女男だとか、気持ち悪いとか、みんなに言われて、悪口に慣れてない兎は泣き出しちゃったんだ。  そしてその時、兎を助けたのは千。  「泣くな、男だろ。」  って、言って、次の日、男の子みたいな恰好で登校してきたんだ。  私は、違うクラスで、そのことを全部後から知って、私は…兎のために何もできなかった。 《水色兎》  そんなことない!  確かに千は兎にとって大切な存在かもしれない、でもそれはsanも同じだよっ!だって、もしsanがその場に居たら、兎を助けたでしょ?そうじゃなくても兎と一緒に居てくれたでしょ?  何もして無くなんかないよ。sanちゃんはちゃんと兎を大事にしてたし、支えてた。兎だって分かってる。 《san》  ≪水色兎 親身になってくれてありがとう。  そうだな。私は私なりに兎を大切にしてた。  でも、千が特別なのは確かなんだ。身体能力的に二人は周りからずば抜けてて、なんだかんだいつも一緒に居たし。 《前世からの》  でも、千は他の人と付き合い始めたんでしょ? 《san》  そう。それを聞いた時はすごく嬉しかった。千は光のことがあってからずっと男の格好をし続けてたから、ちゃんと恋愛ができて良かったなって。  でも、今考えると、その嬉しいって思いにはライバルが居なくなって嬉しいってのもあったみたいだな。…なんか嫌だな…… 《水色兎》  ライバルが居なくなって嬉しいなんて誰でも思うことだよ。それに、千は幸せなんだから、sanが後ろめたくなることなんて無いよ。 《san》  ≪水色兎 ありがとう。水色兎が優しくて惚れそう。同じ兎だし。  それで、安心してたところに現れたのが創。  昨日も二人のやり取りを見てて、兎があんまり生き生きしたから、なんか胸がむかむかして。 《テディ》  嫉妬だね。 《san》  ≪テディ やっぱり?    「うざううざい」って言ってても、楽しそうで。だいたい兎は甘えたで、いつもにこにこしててあんなにあからさまに鬱陶しいって顔する事ってないし、特別なんだと思った。 《前世からの》  兎は、sanのことどう思ってるのかな? 《san》  幼馴染だと思ってるだろ。 《前世からの》  恋愛感情は無いのかな?  san以外の意見が聞きたい。千にメールで聞けないかな? 《テディ》  兎はsanのことどう思ってるのかなぁ?って千に聞くってことか。良いね。 《san》  良いけど…それって、私が兎のこと好きってばれるよな? 《前世からの》  ついでに協力してもらえばいいじゃん。味方味方。 《san》  うん…分かった。  兎って、私のことどう思ってると思う?  で、送った。 《テディ》  はい。返事来るまで待機でーす。 《san》  きた。  まさか今更自覚したのか?おまえ、保育園の時から兎のこと好きだったじゃねぇか。鈍!まじ鈍!  兎がお前のことどう思ってるのかはよく分からねぇな。あいつ誰にでもああだから分かりづらい。でも、一番仲の良い女子はお前だと思うぞ。  それにしても…マジでお前鈍いな、今更自覚するとかwwwwwwwwぷっすーっ  イラッとした。 《前世からの》  これはうざい。てか、sanさんwwww 《テディ》  千:JK1年、小さい、伊達メガネ、男装、    ツンデレが空回って、昔は兎を泣かせてたけど、今じゃヒーロー    ウザい←new!    san:JK1年、男より女にモテる。    鈍感←new! 《前世からの》  結局兎のことは分からないと。 《テディ》  でも、よく見なよ。女子はって書いてある。兎にホモっけがあったらアウトだね。 《san》  マジだ。どうしよう、兎の兄二人ともホモだ、兎もホモだったらどうしよう、もしかして創のこと好きなのかなどうしよう、 《前世からの》  え、兄二人ともホモなの!?その話後でkwsk!!  あ、でもほら、まだ兎はフリーだよ! 《テディ》  そうだ、二人が本当にそうなる前にsanが兎をものにしちゃえば良いんだよ。 《san》  無理だ! 《テディ》  えー 《san》  自覚したばっかりでそれはハードルが高すぎる。し、もし気持ち悪がられたら… 《水色兎》  sanは兎がそんな奴だと思ってるの。 《san》  違う、そうじゃなくって。  告白したら、少なくとも今の関係じゃなくなる。それは…怖い… 《前世からの》  まあまあ、大体このスレの趣旨的には「高校が別になって、開いちゃった距離を戻したい」なんだから、無理に告白にもっていかなくても良いじゃない。 《テディ》  えー。つまんなーい。  でもまあ、しょうがないか。  でも、具体的にどうするのさ? 《前世からの》  とりあえず、文化祭に誘ってみるとか?あ、もしかして今年は体育祭だったりする? 《san》  うちも向こうも今年は文化祭。そっか。久しぶりにみんなで会ったら、距離も縮まるかも。 《テディ》  みんなかよ。まぁ良いか。  sanは出し物何やるん? 《san》  白雪姫の劇だよ。王子役なんだ。 《前世からの》  www歪みないwww 《san》  話聞いてくれてありがとう!また何かあったら、宜しく! 《テディ》  はいはーい。 《前世からの》  健闘を祈るよー。





 

【俺達は】さみしいからかまって【ホモ】

《さらさら》  ベリショと距離置いてるんだけど。 《ふわふわ》  寂しいです。 《文学少年》  待ってました!ホモーズ! 《前世からの》  構うよー 《カメ子》  前スレからのコピペ  ふわふわ:高1男子。ふわふわ髪。キラキラきゅるるん系イケメン。バカかわいい。身長168cm。わりと良いとこの私立の特進クラス。  さらさら:高1男子。さらさら髪。艶めかしいイケメン。いいカッコしい。身長170cm。特々クラスの上成績上位。  ベリショ(好きな人):高1男子。ベリーショート。可愛い。どんぐり眼。メガネ。性格男前。身長163cm。特々クラス。成績首位独占。  イケメン(好きな人の好きな人):高1女子。セミロング。女子にもてもて。俺たちよりもてもて。身長172cm。特進クラス。  ここはホモーズ(さらさらとふわふわ)がノンケな上に好きな人がいるベリショを落とすのを応援するスレです。 《乙女》  ≪カメ子 おっつー  今日は別々なんだね。 《さらさら》  ≪カメ子 さんきゅ    スマフォに変えたからー。でも一緒にいるよ。 《ふわふわ》  ≪カメ子 さんきゅー    まだ慣れないけど頑張る。 《文学少年》  ホント仲良いなwww 《さらさら》  仲良いて言うか、寂しさをこいつで紛らわしてる。 《ふわふわ》  上に同じ。  最近じゃ腕組んで、こいつの肩に頭乗っけてんのがデフォ。  おかげで肩が痛い。   《さらさら》  おれも重心偏るから肩痛い。 《前世からの》  ばwかw 《文学少年》  もうお前らがくっ付けよ。 《さらさら》  それは無いわ―。 《ふわふわ》  無いわ―。 《カメ子》  wwwで、何?構って欲しいの? 《ふわふわ》  うん。 《乙女》  じゃあ、その後のお前ら関係の変化教えてよ。 《さらさら》  ベリショは変わんないなー。俺らがべたべたしてても「また変な事してるよ」みたいな冷めた目で見られるし。  俺らは、淋しさ紛らわすために超接近だけど。 《ばいお鈴》  kwsk 《前世からの》  ≪ばいお鈴 あれ、新しい人だ。 《カメ子》  僕が呼んだ。腐女子。 《文学少年》  いらっしゃーい   《さらさら》  ≪ばいお鈴 そうだな。とりあえず抜き合ってる。 《カメ子》  ガタッ!? 《乙女》  ガタガタッ!? 《ばいお鈴》  (゜Д゜) 《ふわふわ》  だって、一肌恋しかった。 《さらさら》  ところでベリショの反応薄いから次の行動出たいんだけど安価今から20 《文学少年》  俺たちの動揺が収まらないうちに安価だと!? 《前世からの》  どういうことなの。 《乙女》  抜き合ってるんだ、そっか… 《ばいお鈴》  なんでホモーズでくっ付かないんだよ!なんでノンケを狙うんだよ! 《さらさら》  だって俺らが好きなのはベリショだし。だったらお前ら、好きな奴が振り向いてくんないからって妥協して友達としか思ってないやつと付き合えるのかよ。 《ばいお鈴》  ごめん、それは嫌だわ。 《前世からの》  そうだね。そんなのは好きって言わないよね。 《カメ子》  じゃあ、セフレは? 《文学少年》  おまえww勇者ww 《さらさら》  それはなれる自信あるな。 《ふわふわ》  え、マジで!? 《さらさら》  だって、おまえ可愛いじゃん。 《ふわふわ》  さらさらは美人だよな! 《文学少年》  もう、何なのこいつらww 《さらさら》  他の奴じゃ男でも女でも無理だけど、こいつなら平気。 《ふわふわ》  俺もベリショとお前以外じゃ勃たないな。 《乙女》  それは……大丈夫なの?ところでもうすぐ安価だ。安価ならこのまま 《文学少年》  ベリショに「俺たち、付き合ってるんだ」 《ばいお鈴》  安価なら今からふわふわの性感帯を晒す。 《カメ子》  安価なら上のに+して嬲って実況。 《前世からの》  安価なら二人の変態プレーの証拠を雅之に送りつける。 《文学少年》  安価ならベリショに変態メールを送ってごめん宛先間違ったって言う。 《乙女》  安価ならイケメンに「俺たち、ベリショのことが好きなんだ」 《前世からの》  なん…だと? 《ばいお鈴》  ありがとカメ子! 《カメ子》  やったね、ばいお鈴!  安価は? 《文学少年》  \ゼッターイ/ 《前世からの》  \ゼッターイ/ 《乙女》  \ゼッターイ/ 《カメ子》  ここからより濃厚なホモスレになります。 《さらさら》  実況しながらとか難い。 《ふわふわ》  夢中になったら忘れるよな。 《ばいお鈴》  ナニに夢中になって何を忘れるのか。 《文学少年》  安価は絶対だぞ! 《さらさら》  ≪文学少年 分かってるって。  実況しながらっての難しいから、やってるとこ録音して晒すんで良い? 《カメ子》  それで良いってか、それが良い!お願いします!やったねひゃっほーいwww 《ばいお鈴》  良いぞ――っ!!もっとやれぃぃぃぃぃィイエアッ!! 《前世からの》  俺たちにできないことさらっとやってくれる! 《乙女》  そこに痺れる! 《文学少年》  憧れる! 《さらさら》  けってーい。  じゃ、イってくる。 《文学少年》  イってくるwwww 《カメ子》  間違いでは無いwwww ******  安価を確認した真琴は、一時スレを閉じて、ボイスレコーダーのスイッチを押した。 「聞いたな、ふわふわ。」  真琴は、レコーダーをベッドヘッドの棚に置いて、ベッドの端に座る裕介ににじり寄り、後退する彼を追い詰める。 「俺は何も見てないぞ。」  意地の悪い笑顔を浮かべる真琴を前に、裕介は目を泳がせた。 「安価は?」 「ゼッターイ…」 「さて。お前の性感帯は何処だ?」 「……知らない。」 「ふーん。じゃあ、俺が勝手に探すけど、良いんだな?」 「~~っ」  0距離に近い位置まで顔を寄せられて、顔に熱が集まるが分かった。  こんなエロい顔で迫られて、平常心でいられるわけがない。 「沈黙は肯定とみなす。」  後ろで突っ張っていた手に、真琴の手が重ねられて、指を絡められる。指先に感じる感触に、体温に、これからを期待して鼓動が跳ねた。  もう片方の手で肩を押されて、押し倒される。見下ろしてくる陰った顔が、物騒に見えて気がおかしくなりそうだ。 「何だ、まだ指を絡めただけだぞ?どうしたそんなに可愛い顔して。」 「してない!」  しかし、裕介の眉は不安げに寄っている。真琴は、その眉間に唇を落とし、続いて絡め取った左手の指先にも唇を落とした。 「…っ、ぁ」  ちゅっちゅ、と音を立てて指先、甲、平とキスをされて、裕介はどうしていいか分からなくなった。音を立てるのは、裕介に聞かせるためであり、録音するためでもある。全部が筒抜けになってしまう。  止めようと動いた右手は、真琴の左手に絡め取られて、シーツに縫い付けられてしまった。手のひらを舐められて、くすぐったさに反射で腕を引こうとして笑われる。 「舐められると感じちゃう?」 「うるさい…っ」 「ちゃんと言葉で言わないと伝わらないだろう?」 「やだ…っ、言うな…」  こんな声を聞かれるなんて、晒されるなんて、 「ん、ん…っ」  指の一本一本をしゃぶられて、漏れる声をかみ殺す。  熱くて、柔らかくて、濡れた口内が、指を覆って、絡みつく。舐められて絡められて肌が震えて、吸われれば、指先から全身の力が抜けていく。 「ん、ぁ、――はぁ…」  やっと、指先を解放されると、濡れた手が空気に触れて、熱が一気に冷めていく。 「手は終わり。次は足。」 「…っな、やめろ!汚い!」  右足の上に座られて、左足を持ち上げられる。これでは、足での抵抗はできない。裕介は体を起こして、手で制しようとした。しかし、その手はやんわり払いのけられ、無視される。 「汚くねぇよ。風呂入ったばっかだろうが。」  話しながら指の腹を撫でられる。拒否すべき変態じみた行為の筈なのに、この先の快感を期待してしまう。息を詰めると、早速足裏を舌先で擽られた。 「…ぁ、やぁっ」 「ふーん、足の方がかん感じるのな。」 「ん、んぁ、や」 「ん、ちゅっ、んぁ…可愛いな」 「ふぅぅ…っ」 「顔真っ赤だし、ビクビク震えちゃって。――お前が好きなのは、」  安価のための実況が羞恥を煽って、感じたくないと思うほど、逆に感じてしまう。自分の体が思い通りに行かなくて、泣きたくなった。 「薬指と中指の腹と」  言いながらそこを舐められる。 「ひぅう…っ」 「小指と薬指の間と」 「や、ぁあっ」 「踵に近い土踏まずの内側。」 「――っ、もう、ゃめ…っ」  確実に良いところを暴かれて、晒されて、二重の意味で身悶える。嫌だ、嫌なのに、 「やめ、もう…許して…」  思わず泣きが入る優斗の脛を真琴はおもむろに指先でなぞった。  可愛すぎて止められない。もっと苛めたい、泣かせたい。 「――ひぃっ」 「脛なぞられるの好き?」 「ひぁっ」 「膝も」 「…やぁっ」 「内腿も」  彼の感じるポイントを的確に攻めれば、そのたびにビクビク震えて、背を反らせた。 「そんなに背中反らせて、撫でて欲しいのか?」 「んぁああ…っ」 「背骨の下半分から尾てい骨に沿っても良い反応。」  服を纏っているのがもったいない。生ならもっと良く反応するのに。 「も、やめろよ…っ」 「まだだなぁ。」  何度目の制止だろうか、数えてはいない。気にもしない。羞恥に悶えながら善がる裕介が可愛すぎるのがいけない。  右手を持って上にあげさせ、柔らかい皮膚に手を這わせた。 「だってお前、二の腕から脇腹を経由しての骨盤付近とか、」 「ふぅんん…っ」 「側頭骨の耳の後ろの凹んだところとか、」 「あ、ちょ――やめぇ…っ」 「止めるのか?肝心なところは触ってもいないのに?上も下も、こんなに主張してるぜ?」  局部に触られそうになって、裕介はさすがにその手を押さえた。 「や、バカっ!止めろよっ!もう良いだろ!!」 「ノリ悪ぃなー。」 「だって、……もう、これ以上…聞かれたく…ない…っ」  本格的に涙が溢れだす。真琴は、お願いだから、とぼろぼろ涙を流す裕介にの目元にキスをして、レコーダーを止めた。 ****** 《さらさら》  と、言う訳で一応お題昇華。続きは脳内で。 《カメ子》 《ばいお鈴》 《前世からの》 《乙女》 《カメ子》  ( ゚д゚)ハッ! {ヘブンが見えた。 《ばいお鈴》  ( ゚д゚)ハッ! {いつ召されたのかしら。 《前世からの》  私…死んでも良いわ… 《乙女》  え、えと、エンダ―――――――――ッ? 《さらさら》  阻止。 《ふわふわ》  うわぁあっっ、マジであげんなよ!ばか! 《カメ子》  ≪ふわふわ かわいい 《ばいお鈴》  ≪ふわふわ あざとい 《文学少年》  なんだかもうお腹いっぱいだぷー☆ 《前世からの》  あ、文学少年生きてたwww 《文学少年》  俺は生まれ変わった。 《前世からの》  でも壊れてたwww 《カメ子》  ≪文学少年 そんなことを言っていて良いのかい?彼らにはまだ3Pの可能性が残っているのだよ? 《さらさら》  そうなのだよ☆ 《ふわふわ》  喰われてばかりじゃいられないのだよ☆ 《さらさら》  今日はこれでおしまい。また、遊びに来るかも、じゃあな。ノシ 《乙女》  ありがとう、ご馳走様! 《カメ子》  次は3pで真ん中になったふわふわが、前から後ろから攻められてぐちゃぐちゃになるわけですね。待ってます。 《ふわふわ》  ≪カメ子 だが断る。  ホントにバイバイ!!





 

【自分も】最近おかしい【まわりも】

《どんぐり》  上手くまとめられなくて申し訳ないんだが、話を聞いてほしい。 《天使様》  なに?オカルト? 《どんぐり》  いや、対人関係。 《村人B》  ボッチ予備軍の俺が参戦。 《黒猫3兄弟》  タイプの異なる三つ子が参戦。 《天使様》  好きな子をいじめたい衝動を押さえない俺様が参戦。 《どんぐり》  ありがとう。色んなタイプの人がいると心強いな。とりあえず登場する人物のスペックをあげる。  どんぐり:男子高校生。真面目だと良く言われる。  鏡:男子高校生。明るい。元気。行動がバカ。甘党。幼馴染で親友。  魔女:男子高校生。クールぶっているが、行動がバカ。甘党。幼馴染で親友。  王子:女子高校生。頻繁に女子から交際を申し込まれるくらいに男前。ここを教えてくれた。 《天使様》  名前に意味はあるのか? 《どんぐり》  今度の文化祭でやる劇の役だ。 《黒猫3兄弟》  どんぐりはどんぐり役なのwww? 《どんぐり》  いや……言わないとダメか? 《天使様》  言えよ。 《どんぐり》  ………白雪姫… 《黒猫3兄弟》 (ペイズリー)聞きました奥様?この方お姫様役なんですって。 (カラクサ)あらやだぁ、こんなに男らしい口調のどんぐりさんがお姫様役ですって!? (ドット)やめてやれ。 《天使様》  外見スペックが気になるところだな。 《どんぐり》  外見スペック  どんぐり:平均身長。顔面偏差値普通。短髪、もんちっちみたいって言われた。メガネ。どんぐり眼らしい。  鏡:俺より大きい。天然パーマ。髪は脱色してクリーム色になっている。猫目。顔面偏差値は上。ホモと思われているため、告白はあまりされない。  魔女:俺より大きい。さらさらストレート。黒髪。切れ長の瞳。顔面偏差値は上。ホモと思われているため、告白はあまりされない。  王子:身長が一番高い。すらっとしたモデル体型。正直男にしか見えない。髪はセミロングだが、後ろで綺麗にまとめているので、男だとしてもナンパな感じはしない。顔面偏差値は上。 《黒猫3兄弟》  なんだホモか。 《天使様》  そう言えばダチがホモーズがなんたらとか言ってたな。流行ってんのか? 《村人B》  ホモーズってwwwネーミングもう少しどうにかできなかったのかwww 《どんぐり》  話して良いか? 《村人B》  良いよ。 《どんぐり》  俺は王子が好きだ。 《天使様》  いきなりド直球だな。 《どんぐり》  俺は小学校時代、家の事情でいじめに遭っていた。  友人は赤ん坊のころから一緒の鏡と魔女だけだった。  そのせいで二人も俺と一緒に無視されるようになった。  しかし、王子は俺たちに普通に接してくれた。 《黒猫3兄弟》  イケメンはマジでイケメンだな。 《村人B》  いじめとか最悪。 《どんぐり》  村人Bはボッチ予備軍って言ってるけど、いじめとかじゃないよな? 《村人B》  ない。ただ俺が対人スキル低いだけ。本当ならボッチだったんだろうけど、双子の妹のおかげで妹の友達と仲良くできてるし、恋人もできたからボッチじゃない。  心配してくれてありがとう(*・ω・*) 《どんぐり》  それなら良かった。  俺には二人が居たからまだ良かったけど、もし味方が誰もいなかったら耐えられなかったと思う。 《村人B》  (*;ω;*) 《どんぐり》  ≪村人B いちいち顔文字可愛いな。  まあ、本題はここからだ。  まず、タイトルにある「周りがおかしい」って言うのは、鏡と魔女のこと。  この二人は、いつも俺にくっ付いて、好きだ好きだと連呼し、受験期でも遊びに行こうと誘いまくり、隙あらば襲ってくる勢いで俺を慕ってくれている。そのせいでホモの噂が立った。  でも、最近では俺へあまり構わなくなった。いままで俺相手にやっていたことをお互いにやるようになったんだ。  …何か説明しづらいな。とりあえず実例をあげていこうと思う。 《黒猫3兄弟》  ホモの三角関係…だと? 《どんぐり》  ホモじゃない。ホモだと思われているだけだ。 《どんぐり》  まず、朝。鏡は寒がりだから、今ごろの時期になると、引っ付いてくる。上着を着ればいいんだろうけど、寒いのは朝だけで、帰りには荷物になるから、それが嫌らしい。  で、いつもなら俺にくっ付いてくるんだけど、最近は魔女にくっついている。魔女も、いつもなら俺にくっ付いてくる鏡に対抗して、俺にくっ付いて来るのに、鏡が魔女にくっ付くもんだから、俺にくっ付いてこないし。  なんか、  寒いんだけど。 《村人B》  何だこのドングリ可愛いぞ。  あと、顔文字は恋人が良く使うやつを真似してる。 《どんぐり》  ≪村人B 可愛くねぇよ。    学校に着いてからも、二人でいちゃいちゃしている。俺の机に集まってくるのはいつものことだが、今までなら二人とも俺の肩に腕を回したり、圧し掛かってきたり、抱きついてきたりしていたのに、それを最近ではお互いにするようになった。  昼休みは、俺と鏡と魔女と王子でいつも一緒に食べのだが、昨日なんかは、鏡がセロリを皿の端に残していて。  俺「どうした鏡、まだセロリが食べられないのか?」  鏡「こいつだけは、いつまでたっても食べられない。なんだ、この臭い。もう毒だろう。」  俺「毒なわけあるか。体に良いぞ。」  魔女「好き嫌いはいけないな。…どれ、俺が食べさせてやろう、口移しで。」  俺「やめんか!!」  的なことになり、俺の必死の制止は空しく、結局鏡はセロリを魔女に口移しで食べさせられたわけだ。 《黒猫3兄弟》  え?…はぇ? 《村人B》  ほ、ほ、ほ、 《天使様》  ホモだーーーーっ!!! 《どんぐり》  ですよねー。  あー、でもな、それって。俺、邪魔ものなんじゃないかと思うんだ。 《黒猫3兄弟》  ん? 《どんぐり》  だってさ、あいつらくっ付いたら、俺、要らないと思うんだ。 《黒猫3兄弟》  ちょっと、良く分かんないんだけど。その、鏡と魔女が仮にもし、両想いだったとするじゃん。恋人と友達は違うじゃん。どんぐりが邪魔ってことにはならなくないか? 《どんぐり》  恋人と友達は違うんだろ?今まで三人で遊びに行ったりしてたけど、それが二人で行くようになって、デートって呼ぶようになるんだろ?三人で俺の家に集まってたのが二人がお互いの家に遊びに行くようになって、それをデートって呼ぶんだろ?三人でつるんでたのが、二人でつるむようになって、それをラブラブって言うんだろ? 《天使様》  お、おう…? 《村人B》  ≪天使様 押されるなよ。  でも、君たち、ずっと三人だったんだろ?でも今は王子がいるじゃんか。それって、いつまでも三人が依存しあう関係でいなくても良くなったってことじゃないのか?二人が付き合ったからって、どんぐりのことを蔑ろにするとは思はない。でも、やっぱり今までとは関係は変わると思う。やっぱり、幼馴染とはいえど、恋人が他の奴にベタベタしてたら嫌だと思うだろうし。そこらへんはしょうがないんじゃないかな。 《黒猫3兄弟》  というか、今までのが異常なんじゃないか?いつまでも、三人で仲良しこよしって言うか、依存してたらダメだろう。いい機会だから、幼馴染離れするべきじゃないか? 《どんぐり》  そうか…。 《村人B》  寂しいかもしれないけど。 《天使様》  てか、お前が王子とくっ付けば良いんじゃん。 《村人B》  あ 《黒猫3兄弟》  あ 《どんぐり》  区hbぃ笛r;おbん」sldfふじこ 《村人B》  すべてがダブルデートにかわるというわけか。 《黒猫3兄弟》 (カラクサ)こっくはく!こっくはく! (ペイズリー)こっくはく!こっくはく! (ドット)止めんか! 《どんぐり》  …そうしたら、あいつらと一緒に居ても良いのかな? 《村人B》  別にそうしなくても一緒に居て良いと思うけどね。二人と一緒に居るために付き合うってのは違うと思うけど。 《天使様》  でも、気持ち的には落ち着くんじゃないか。恋人が他の奴にくっ付いてても、そいつに恋人がいるって分かってれば、気にならないかもだし。  ≪二人と一緒に居るために付き合うってのは違うと思うけど。  別に良いんじゃないか?好きな事には変わりないんだし、一石二鳥じゃないか。まあ、告白してもうまくいくとは限らないが。下手したら、王子とも一緒に居られなくなるかもしれない。 《黒猫3兄弟》  でも、行動しなくちゃ始まらないよ。 《どんぐり》  行動か…、うーん。まだ、どうなるか分からないが、話したら少しすっきりした。ありがとう。 《天使様》  おー、何の解決もできてない気がするけどな。 《どんぐり》  いや、別に解決したくて始めた話じゃないから良いんだ。で、勝手に話してしまって申し訳ないが、明日も早いから落ちようと思う。皆、良い夢を。 《村人B》  うん。じゃあね、お休み。 《黒猫3兄弟》  ばいばーい。  ****** 《どんぐり》  状況が変わった。 《村人B》  いきなりどうしたの。 《どんぐり》  今日あったこと。  ①鏡と魔女から交際の報告メールが来た。  ②二人の変態プレーの実況音源が送られてきた。  ③魔女から変態メールが送られてきて、すぐに宛先を間違ったと謝罪メールが届いた。  ④二人が王子を呼び出した。  もう、何が何だか、何が何だかぁあ…っ 《黒猫3兄弟》  突っ込みどころが多すぎる。 《天使様》  ①から③も問題だが、④が意味不。 《村人B》  こいつらは、…変態なのか? 《どんぐり》  変態だ。 《黒猫3兄弟》  ②と③の内容詳しく。 《どんぐり》  ②魔女が鏡の性感帯を晒しながら、嬲って言葉攻めしてる音源。  ③今日のパンツ何色?俺は豹柄紐パン 《村人B》  変態だった。 《黒猫3兄弟》  完全な愉快犯じゃないですかぁ、やだぁ 《天使様》  もしかして… 《どんぐり》  なんだ? 《天使様》  二人が付き合っているというのはどんぐりを油断させるためのカモフラージュ? 《村人B》  はっ 《黒猫3兄弟》  はっ 《どんぐり》  つまり、あれか。二人は本当は王子のことが好きで、それで…  こうしちゃいられない!じゃあな! 《村人B》  おいまて、何処に行くつもりだ!? 《天使様》  おいぃ!? 《黒猫3兄弟》  ダメだ、返事が無い… 《村人B》  ただの屍のようだ。 《天使様》  早すぎたんだ、何もかも…





 

【周りが変?】ちょっと理解できませんね【俺が変?】

《どんぐり》  誰かいるか? 《黒猫3兄弟》  いるいる!居るよ居る! 《天使様》  いるいる詐欺? 《村人B》  どんぐり生きてたか!この前変な落ち方したからどうしたかと思った。 《どんぐり》  ああ、それは…なんか、取り乱して悪かった。 《村人B》  いいよ。それより、あの後何かあったの? 《どんぐり》  ああ、まあ。なんだ。  わ・け・が・わ・か・ら・な・い 《天使様》  どうした 《どんぐり》  鏡と魔女が王子のことを好きだと思った俺は、焦って、二人に先を越される前に王子にアプローチをしようと考えた。  具体的には、休み時間に王子の席に遊びに行ったり、王子の頼まれた仕事を手伝ったり、勉強を教えたり、教室移動の時に声を掛けたり、弁当を食べる時に隣に座ったり、弁当のおかず交換をしたりetc.   《どんぐり》  しかし、案の条鏡と魔女が俺の邪魔をしてきた。  王子に会いに行くたびに、じとっとした視線を寄越し、話すたびに割り込んできて、教室移動の時には俺を挟むように陣形をとってに王子の隣を歩かせないようにしてきた。弁当を食べる時も然り。 《天使様》  嫉妬か。これは確実だな。 《どんぐり》  そしてもう一つ問題が生じた。王子の幼馴染のピカリンだ。  王子は…もしかしたら、ピカリンのことが好きなのかもしれない……  そうしたら、もう俺はどうしたら良いのか…… 《天使様》  確かめもしてねぇのに、諦めるのは感心しねぇな。 《黒猫3兄弟》  とりあえずピカリンとやらのスペックをば 《どんぐり》  ピカリン:男子高校生。可愛すぎる系男子。金髪蒼眼のハーフ。ブラコン。明るい。身体能力が馬鹿高い。詳しくは知らない。王子の幼馴染。 《黒猫3兄弟》  あれ…これってもしかして…… 《村人B》  ≪黒猫3兄弟 もしかして特定? 《どんぐり》  え、そうなのか?どうしよう、というかもしかして俺のことも分かったのか?知り合いだったのか?分かっても、黙っててくれるか? 《黒猫3兄弟》  ああ、うん多分…。黙ってるけどこれだけ答えてくれる?王子って、5人兄弟で三つ子の弟が居ない? 《村人B》  !? 《天使様》  え、マジかよ 《どんぐり》  いる…というか、まさか… 《黒猫3兄弟》  王子、俺らの姉ちゃんだ!!そんでもって姉ちゃんとピカリンは両思いだ!それで俺らは二人の応援したいから、ここにはいられないや!ごめんな!じゃあな!!  あ、でもどんぐりのことは内緒にしておくから!! 《村人B》  言い逃げ!!? 《どんぐり》  うわあぁぁぁぁぁぁぁっぁぁ、、、ぁぁぁぁあああああああああ!!!! 《天使様》  ああ…… 《どんぐり》  ――――ここからは失恋したどんぐりを慰めるスレに変わります。―――― 《天使様》  あれ?意外と余裕? 《どんぐり》  余裕な訳ないじゃないか!余裕な訳ないじゃないか!余裕な訳ないじゃないか!余裕な訳ないじゃないか!余裕な訳ないじゃないか!余裕な訳ないじゃないか!余裕な訳ないじゃないか!余裕な訳ないじゃないか!余裕な訳ないじゃないか!余裕な訳ないじゃないか! 《天使様》  悪かった。落ち着け。 《どんぐり》  ……消えたい… 《村人B》  がんばれ。当たって砕ける前で良かったじゃないか。 《どんぐり》  しかし、鏡と魔女がくっ付いて、王子とピカリンがくっ付いたら俺は本当に一人になってしまう。 《村人B》  いや、鏡と魔女が付き合ってるっていうのはカモフラージュなわけだから大丈夫なんじゃないか? 《天使様》  そうだな、明日それとなく王子とピカリンが両想いだって、伝えてみたら今まで通りに戻るんじゃないか? 《どんぐり》  そうかな? 《黒猫3兄弟》  |ω・`)ちらっ {もう戻ってきても良い? 《天使様》  何かいるぞwww 《どんぐり》  どうぞ。 《黒猫3兄弟》  この前から気になってたんだけど、タイトルの「俺も変」って何?何が変なの? 《村人B》  ああ、そう言えば 《どんぐり》  ……あ、いや…それは……。うん。大した意味は無いんだ。ホント。 《黒猫3兄弟》  これは大したことありそうだ。 《天使様》  吐いてしまえ。 《どんぐり》  いや、ホント!何でもないから!! ******  翌朝、迎えに来た幼馴染二人に、スレ主である田中雅彦は早速きり出した。 「藤本光を覚えているか?」 「ああ、ブラコン。」 「女みたいな。」 「…結構覚えているんだな。」  出てくる言葉は好意的とは言えないが、二人はしっかり彼のことを覚えていた。言っては悪いが、この二人は自分たち以外のことにあまり興味を示していなかったので、意外だ。 「そりゃあね。あそこのグループは派手だったから。容姿も、行動も。」 「けど、それがどうしたって言うんだよ。」 「山田さんと藤本が両想い…らしい。」  さあ、どう反応する?と二人を窺うと、なぜかキョトンとしている。もしかしてショックで反応できないのか?田中は反応を見ながら「あーあ、ショックだな。」と続けた。 「なに?やっぱり雅彦ってば山田のこと好きだったの?…てか、好きなの?」  それにようやく反応したのは鏡改め佐藤裕介。 「え、…ああ(今更何言ってんだ。)でも、両想いじゃあ仕方ないよな。」  予想と違う反応に少し戸惑った。どうして山田さんでなく、俺を気にするのか。 「…そうか……。」  何か考え込むようにつぶやいたのは魔女改め鈴木真琴。  二人は、やっと現実を受け入れたのか、神妙な顔つきになった。  「真琴ぉ、寒いー。」 「はいはい、裕介君、ぎゅー。」 「ふわぁ、あったけぇ。」  昼休み、裕介と真琴は、自分たちの立てたスレで言われた通り、雅彦を置いて二人でイチャイチャしていた。  最初のうちは雅彦に触れなくて、つまらなく思っていたのだが、最近はだんだん面白くなってきた。何しろ雅彦がこちらを気にするようになったのだから。しかも、今日は山田が衣装合わせで女子に連れ去られたため、屋上には三人しかいない。雅彦の話し相手がいないので、余計に視線を感じた。 (雅彦の奴、こっちをえらく気にしてるな。) (やっと「押してダメなら引いてみろ」作戦の効果が出てきたってことか。)  二人は至近距離で目で会話する。幼馴染同士、こんなのは朝飯前だ。  そして今日の二人はいつにもましてノリノリだった。だって、雅彦の失恋が確定したのだから。今朝は喜びに頬が緩むのを抑えるのに苦労した。  そんなこんなで、もっと気にしろ、気にしろ、と念じながら二人はべたべたと触りあう。 「…ちょっと、飲み物買ってくる。」 「おう、いってらっしゃい。」  だから、雅彦がそう言って出て行こうとしても、寂しくてもついて行かないし、引き止めもしなかった。  二人は山田さんのことを知っても変わらなかった。二人が彼女のことを好きだというのは勘違いだったのだろうか。そうだとしたら、やっぱり俺は一人になるじゃないか。  お茶のペットボトルを持った手が冷たい。少し前までは、二人につられて変わった飲み物を好んで買っていたが、最近ではそんな気持ちにもならない。このまま置いて行かれるのが嫌だった。二人が自分をそっちのけで楽しそうにしているのが嫌だった。いつでも三人の中心は自分だったのに、どうしてこうなってしまったのか。  二人に冷たくしていたのがいけなかったのだろうか。映画の誘いを断ったのがいけなかったのか。セクハラに過剰に反応したのがいけなかったのか。分からない。戻りたい。三人でバカをやっていた頃に戻りたい。  雅彦はペットボトルを持つ手に力を込めて、覚悟決めて、扉を開く。現実と向き合う覚悟を。  そして開いて固まった。だって、二人がキスしていたから…  美少年同士のキスだ。気持ち悪いとは思わなかった。その代り、どうしようもなく自分自身に嫌悪を抱いた。もしかして、自分は彼らにとって不釣り合いな存在なのではないか。彼らは誰が見てもお似合いだ。でも自分は頭脳と家柄以外は平凡な男だ。二人が親友であり、恋人であり、自分はそこから一歩引いた位置にいるただの友人なのだ。その形が、すごく当たり前のように感じた。  知らずに、ノブを掴んでいた手を引いていた。扉が閉まる。ふらふらと後ずさって、そこから離れようと思った。  バンッ  扉が勢いよく開かれて、伸びてきた手が雅彦の腕を掴んだ。 「まった!」 「どこ行くんだよ。」  二人が血相を変えて詰め寄ってくる。雅彦は、二人がやっと自分をみてくれたのが嬉しいのと、剣幕に押されたので、顔がこわばった。見開いたどんぐり眼の上の眉が震える。 「いや…だって。」 「だって?」  聞き返されて、声がどんどん小さくなっていく。 「…俺…邪魔だろう?」  どうにかそれだけ言うと、今度は二人が眦を上げて眉を顰めた。 『はあ?』  二人が同時に、形の良い唇を凶悪に歪めて発した声は低く、明らかな怒気を含んでいる。 「いや、だって。」 『誰がいつどこで何時何分何秒地球が何回まわった時にそんなこと言ったんだよ!』 「小学生か!」 「小学生じゃねぇよ。お前の、…っいや、幼馴染だよ。」 「俺らは三人で一組だろうが。」  その言葉が嬉しくて、涙が出そうだ。でも、違う。 「でも、お前ら付きあってるんだろ?」 「付きあってない!」 「あれは嘘!」 「はぁ!?」  今度こそ本当に泣きたくなった。 「俺は、お前らがそんなこと言うから本気で一人になると思って不安に…なったのに。」  止めるすべもなくて、とうとう涙が溢れだした。 「あ、おい雅彦!?」 「だって、お前らがいきなり俺に構わなくなるからそうなんだって…」 「ま、待てって」  ぼろぼろと透明の涙を流す雅彦に、裕介も真琴も慌てるしかない。 「なんだよ、しらねぇよ。お前らなんか二人で仲良くしてろよ。」  ――プツン  二人の中で理性の糸が切れる音がした。  真琴が雅彦の背に回って、二人がかりで取り押さえる。 「うわっ」  裕介が右手を、真琴が左手を押さえて、余った手で、裕介が細い腰を引き寄せる。 「馬鹿でしょ。俺らが雅彦を一人にするわけないじゃん。」  耳に直接吹き込まれた声に、ぞくっと、体の芯が熱を持つ。 「な、え?」 「こんなに雅彦が好きなのに。」  まことに頬を撫でられながら、耳を食まれて、甘い吐息が漏れる。 「ふ、ぁ…っ」 「雅彦…」 「待って…っ」  裕介の手が服の裾をめくり上げて、生の脇腹を弄った。真琴の手が、シャツのボタンを外して胸の突起に手をかけた。 「止め…、やだ!」  両側から耳を責められて、侵入してきた舌が水音を立てて、鼓膜を犯す。 「…ゃ……っ、――止めろ!」 「――ぃったぁ」 「盛ってんじゃねぇよボケが!」  殴って拘束が緩んだところで、どうにか二人から距離をとって叫んだ。 「子分が親分を組み敷くな。」  これは関係が元に戻る合図だ。 『親分!』  雅彦は再び二人に抱きつぶされた。 ****** 《どんぐり》  俺もうやだ…… 《天使様》  昨日とんずらこきやがったどんぐりさんですね。ちわーす。 《村人B》  初期の男前っぷりは何処に行ったのやら。 《どんぐり》  (´;д;`) 《黒猫3兄弟》  www  良いよ、分かったから話してwww 《どんぐり》  変態に穢された……





 

【もやっとボール】文化祭で悪ふざけ【投げないで】

《水色兎》  sanちゃんのスレにいた人いる? 《前世からの》  いるよ。 《テディ》  同じく。てか、なにこれ?スレ乗っ取り? 《元気っ子》  いるよ! 《水色兎》  今僕はsanちゃんの高校の文化祭に来ています。  ≪テディ 乗っ取りかな?  《前世からの》  え?何それ、知り合いだったの? 《水色兎》  説明は手早く済ませようと思う。  sanちゃんのスレの兎が僕でした!ってことで。 《前世からの》  え? 《テディ》  はぁ!? 《黒猫3兄弟》  何これ?前スレあるの?だれか三行であらすじ教えて。 《前世からの》  ≪黒猫3兄弟 ちょっと空気読みなさいよ、こっちはまだ混乱してるんだからね!    sanの味方だった?  兎ちゃんが水色兎で  スレ乗っ取り 《テディ》  ≪黒猫3兄弟 そうよ、少しは気を使いなさいよ!  sanまさかの本人の前で恋愛相談  今から文化祭実況  安価期待 《元気っ子》  ≪テディ、前世からの ツンデレwww    兎は水色兎だった  創は実は俺だった!  この物語は出来レースです。 《前世からの》 《テディ》 《黒猫3兄弟》  わっかんね!と言うか一部要望が入ってる。 《水色兎》  ≪前世からの、テディ 創は元気っ子でしたww    ≪黒猫3兄弟 これ見て来ればいいよ。つ【周りが変?】ちょっと理解できません【俺が変?】 《黒猫3兄弟》  ≪水色兎 分かった大人しく見てくる。 《水色兎》  さあ、ここで衝撃の事実が判明する…!!  と、その前に  今僕はsanちゃんの学校の門の前に居ます。sanちゃんがお誘いのメールを送ったのは5人ですが、この場に居るのは僕一人です。    理由  ①邪魔だと思って彼の天敵に連絡して攫ってもらった。(ごめんね、お兄。でも、極度のブラコンだから絶対邪魔してくるでしょ?)  ②僕とsanちゃんのこと話して丁重に辞退いただいた。(ありがと、お兄!)  ③千。影から実況を担当。(実況しやすいように僕には盗聴器が仕掛けられています)  ④すべてを見透かしたような微笑で「頑張って。」と言ってきた。(彼女は魔女だ)  で、これからの行動を募集したいと思います。お腹空いてるんで食べ物希望。 《前世からの》  創マジなのかよwww  私らの動揺が収まらないうちに行動募集してくるとか、鬼畜。しかし、そこに痺れる 《元気っ子》  憧れるぅ!!  てか、①の兄の扱いwww  ④ぇ…  パスタポッキーでポッキーゲーム!! 《テディ》  というか安価ではないんだね。ってことは…    チョコバナナ。チョコの部分舐め上げたら良いと思う。 《元気っ子》  たこ焼き。熱々を食べて涙目で「熱いよぉ…っ」って言う。 《前世からの》  から揚げ。油でテカる唇も良いと思うんですよ。 《テディ》  クレープ。アイス系のやつゆっくり食べて、溶けたアイスで汚れた手首を舐め上げれば良いよ。 《千》  wwwwノリノリだなwwwwってか、テディが酷いwwww 《前世からの》  あ!千だ!! 《テディ》  千来た! 《千》  ほら来てやったぞ。てか、何だここ、スペック貼ってないのかよ。新参に優しくないな。 《黒猫3兄弟》  そんなあなたに前スレからのお土産です。  san:JK1年、男より女にモテる。  水色兎(兎):DK1年、親友…だよな?可愛い。金髪、蒼目、ハーフ。女より男にモテる。兎が好き。  元気っ子(創):DK1年、兎の親友。真ん中分け、元気、家庭的。詳しくは知らない。  千:JK1年、小さい、伊達メガネ、男装、ツンデレが空回って、昔は兎を泣かせてたけど、今じゃヒーロー  黒猫3兄弟:sanの弟。 《水色兎》  はい!衝撃の事実が判明しました!!ktkr!! 《テディ》 《前世からの》 《元気っ子》 《黒猫3兄弟》  ここは無言の多いインターネッツですね。 《テディ》  て、え? 《前世からの》  はぁぁぁぁあああ!!??? 《千》  なんだこれwwwwもはやツリだろwwww 《水色兎》  あ、ごめん。sanちゃん来たから千あと宜しく~ 《千》  まじかwwwこの状況でwwwww ******  山田太陽の通う高校は、私立の中でも特に奇抜、と言おうか、壮大な世界観を持った外観をしている。外国から招いた建築家が設計をしたため、異国情緒溢れるものとなっているのだ。  赤レンガと白レンガ(もちろん擬き)のパターンでデザインされた基本四角いフォルムの旧校舎には、中央に文字盤がローマ数字の大きな時計が埋め込まれていて、その上の屋根根はアーチ形になっている。迫り出した昇降口の上はテラスになっていて、柵に沿って、花壇に花が植えられている。建物には、四つの塔がシンメトリーになるように埋め込まれていて、この部分は他の教室と企画が変わるのだが、準備室か特別教室になっている。コの字型の校舎の二つの角は、丸い屋根のドームになっていて、一つは体育館。もう一つは食堂として使われていた。  特進クラスの通う新校舎は打って変わって、白くてロイヤルな外観。円柱型した昇降口はガラス張りで、窓ガラスは大きさこそほぼ同じなものの、皆形が違い、配置のパターンが不均一な近代的な建物だ。  また、二つの校舎の間には、角度の急な三角屋根を二つ持った建物がある。こげ茶色の屋根には、ぴょこ、ぴょこ、と小さな出窓が付いていて、三角の下の一際大きな二つの窓は、片やアーチ形、片や直線の枠にはめ込まれていて、そのほかの窓は、壁にめり込んむ形で、それぞれ個性的にデザインされている。壁自体も、色を変えたり、素材を変えたりと表情を変えてあり、アイアンの装飾がされているところもあった。森の中の一軒家といった風貌の、可愛らしい建物。これ、実は図書館である。  それらの建物に囲まれた芝のグラウンドに、今は模擬店が列を成している。異国情緒あふれる空間の真ん中にどっかり居座る純和風のお祭り屋台。シックでロイヤルな空間に溢れる「らっしゃーせっ!」の声。景観の~なんて完全無視なここの学園祭は出落ち感がすごい。  藤本光はアイアンの正門(鉄というよりアイアンと呼びたい。そんな細工の大きな門なのだ)の前でケータイを取り出し、その様子を写真に収め、ツブヤイターにupした。  そして、そのままネットに繋いでスレッドを立ち上げる。期待通りの反応にうふふ、と口元が弧を描いた。美少女(本当は美少年)の微笑みを見た一般人は男女関係なくポッと頬を染めて、一時その動きを止めてしまう。彼はそれほどの天使の美貌の持ち主だ。  可愛い娘だ。誰かを待っているようだが、誰を待っているんだろうか?あんなに可愛い娘と回れるなんて羨ましい。しかし、自分では到底釣り合わないだろうから声を掛けるなんてできる筈はない。いつの間にか、彼の周りには、遠巻きに様子を見る人で人だかりができてしまっていた。 「光!」  そんな中、彼を中心にぽっかり空いた穴の中に入っていくものが居た。  彼女(本当は彼)に声を掛けるなんて、どんな勇者だ、と皆が視線を向けると、そこには納得せざるおえないイケメンがいた。  この学校で一番のモテ女(しかし女子から)、山田太陽が、慌てた様子で光に駆け寄っていた。  太陽を知っている男子は、「なんだ、また山田さんか。なら仕方ない。」女子は「山田さんにあんな仲よさげな女子がいるだなんて、うらやましい。でも…私には勝てないなぁ…」などと思い、知らない人は「イケメン爆発しろ、ぎりぃ」と思ったことだろう。  太陽のクラスの出し物である劇の最終調整は、午後に行われるので、午前中は自由時間だ。太陽はクラスメイトと、「新校舎の食堂はカフェテラスみたいだけど、旧校舎のほうは某魔法学校みたいな食堂らしいよ。」「マジか。じゃあ、今日は旧校舎の食堂に行こうか。」などと話しているうちに、光との待ち合わせの時間になっていたことに気が付いた。慌てて待ち合わせ場所である校門に向かうと、そこに人だかりができているではないか。まさかと思い隙間から覗くと、案の定目当ての彼がその中心にいた。  普段から女に間違えられることの多い光だが、この日は特に女に見える格好をしていた。  カラフルで大きな水玉の、だぼっとしたパーカーの下は、フリフリレースにキラキラビーズのキャミソールとエメラルドグリーンのカットソー。下は細くて形の良い足にぴったり吸い付くスキニ―ジーンズを膝下丈の茶のロングブーツに入れている。おそらくすべて女物だろう。艶々の金糸の短い髪は、編み込みにして、赤のピンで飾られていた。素のままでも十分に視界の吸引力となるのに、着飾った光はもはや凶器にさえ思われた。  あまりの眩しさに眩暈を覚えた太陽だったが、どうにかその輪に入っていく。 「光!」 「太陽ちゃん!」  太陽に気が付いた光は、こぼれんばかりの笑顔で、飛びついてきた。周囲がざわめく。 「うわっ、っちょ、光!?」  慌てて太陽が引きはがすと、光はしゅんと眉を下げてしまった。 「…だめなの?」  こてん、と首を傾げる光。あざといすごくあざとい。  光に嬉しそうに抱きつかれて、太陽が嫌に思うはずはない。だが、彼に対し、下心を持っているとういう罪悪感と、注目を浴びているという状況により素直に喜べなかった。太陽は、自分たちを取り囲む生徒と一般人をため息混じりに見回した。自分が遅れたことも原因だろう。 「悪い、待ったか?」 「ううん!いまきたとこぉ。あ、今の恋人っぽい!」  嬉しそうに自分を見上げる光に、太陽は、額を押さえてため息を吐いた。 ****** 《千》  て、感じだな。実況ってこんなでいいのか? 《前世からの》  充分です。本当にありがとうございます。 《テディ》  ていうか、人だかりができるって、水色兎どれだけ可愛いのwww 《元気っ子》  水色兎はすっごく、すっごーーーくっ可愛いよ!!  san羨ましすぎる(ギリィ   《千》  元気っ子もある意味可愛がられてるから心配するな。  そしてそしてーーここからやっと本番だ!! 《前世からの》  そうだよwwここからが本番だよ。まだ何も始まってないものwww 《テディ》  待ち合わせシーンですでに甘いんだけどwww僕ら居る意味あるのwww 《黒猫3兄弟》  あるよ。俺らいなかったら、ただのデートになるじゃん。そんなん面白くない。 《元気っ子》  ちょ、弟wwww 《千》  全く黒猫3兄弟の言うとおりだ。 《元気っ子》  ひでぇwwww ******  「何か、見たいところとかあるか?」  自分たちが、歩き出すと、光を囲んでいた人たちも何となく散って行った。良かった。 「うーん…。朝ごはん食べてないから、とりあえず何か食べたい。あ、チョコバナナだぁっ!」 「はいはい。チョコバナナね。」  目当てのものを見つけて、はしゃぐ光に、太陽は走るなよ、と注意して付いて行った。 「んーーっ、おいしいっ!」  光は、先端を少しかじって、はにゃぁっと笑み崩れる。続いてスレ民の言うとおり、チョコの部分を舐め上げると、隣の彼女がぴくっと反応したのが分かった。意識して上目遣いで様子を窺うと、真っ赤な顔で固まっている。あれ、太陽ちゃんって女の子だよね?なんでそんな反応になるの? 「…太陽ちゃん?」 「…い、いや…何でもない…っ」 「そう?」  どきまぎと目を逸らす太陽に光は、これは今後の反応も期待できそうだ、と腹黒い笑みを浮かべた。 ****** 《黒猫3兄弟》   ひぇぇ、あざてぇ 《前世からの》  sanさん、あれ?女性…? 《元気っ子》  俺、水色兎でなら抜ける気がしてきた。 《千》  殺されるぞ 《元気っ子》  冗談です。 《千》  実況を続ける。  次はから揚げみたいだな。  店の人「おまけ付けとくから。」  水色兎「ほんと!?ありがとう!」  って、悪乗りして投げキッスした。兄ちゃん赤面して崩れ落ちた。何してんだお前wwwsan呆れてんぞwwww  水色兎「sanちゃん、おまけしてもらっちゃった!はい、あーん。」  san「え、ちょ///」  水色兎「sanちゃん、あーん!」  sanが渋々口を開ける。  水色兎「美味しい?」  san「おいしい///」  水色兎も食べる。  水色兎「ほんとだ、美味しいね。」  信じられるか、これ。付き合ってないんだぜ? 《テディ》  信じられませーん 《黒猫3兄弟》  ませーん 《千》  あ 《前世からの》  どうしたの、なにがあった? 《千》  wwwwwwwwwwwwwぇぇええ???wwwwwwwwwwwww 《前世からの》  ちょ、まじで何があった!?一人で楽しんでないで早く教えろドS!! 《千》  俺Sじゃねぇし、前世からのがキャラ崩壊www  まぁ、教えてやんよ。  水色兎がsanの唇を親指の腹で拭って、耳元で  「sanの唇、艶々してて美味しそう」  って。声マジだし、呼び捨てだし。まじ何してんの。  そしてsan再びのフリーズなう! 《元気っ子》  ぎぃやぁぁぁあああ!!! 《テディ》  隊長!萌えの過剰摂取で死にそうでありますっ 《千》  ビジュアルで勝手に水色兎を受け側にしてたけど、そう言えば男だったんだよな…て。 《黒猫3兄弟》  ねえちゃぁぁぁぁぁぁああああんっ!!!! 《元気っ子》  sanそこ代わって、お願いだからぁっ!!!! 《黒猫3兄弟》  てか何なの?これ俺たち居なくても絶対面白いことになってるって、ていうか、素でしょ!?だってこんなの俺らやれって言ってないもの! 《千》  wwwまじ良い反応wwww楽しいwww  次は…あ、たこ焼きにいったな。もうsanがぐったりしてるwwてか、身構えてるんだけどwwww  水色兎「あ、あふいっ!」  san「あぁっ、冷まさずに食べるから…」  水色兎「あふいよぉ…っ」(涙目)  san「…っ///」  ※光は淹れたてのコーヒーをごくごく飲める程度には猫舌じゃない。 《テディ》  wwwwwwwテラ演技wwwwww 《前世からの》  こいつwwww 《千》  ていうか、sanの反応も面白いけど、周りの反応も異常。光の声がエロすぎて、男どもの大半が前屈みになった。 《テディ》  どんなけだよww 《黒猫3兄弟》  男の娘すげぇ。 《千》  パスタポッキー買った。パスタポッキーって、パスタ揚げてあるのか。初めて見た。  水色兎「ポッキーゲームしようよ!」  san「はぁあ!?」  san声裏返ったwww反響したwww  皆が二人に注目。sanが慌てて、水色兎引っ張って、グラウンド横の木の影に連れ込んだ。  水色兎「しようよ、ね?」  落ち着いたところで、再度誘ってる。めげないww  san「なんでだよ!」  水色兎「したいから。」  san「おまえ、そういうの誰にでもやってるんじゃないよな?」  水色兎「お兄ぃとsanちゃんだけだよ?」(首コテン)  水色兎「…だめぇ…?」(首かしげて眉さげて上目使い)  san「~~~っ、い、一回だけだからな!」    折れたぁぁぁああ!! 《元気っ子》  sanがおれたぁぁあああ!! 《前世からの》  水色兎は己の武器を良く理解してるねwww 《テディ》  いちいちあざといww 《千》  ポッキーも折れたぁああああ 《黒猫3兄弟》  wwwwだってパスタポッキーだものwwww 《テディ》  そりゃ折れるわwww 《千》  見つめ合った時間、わずか数秒。しかし、その数秒を詳しく解説してやろう。  ポッキーを加えて、「ん」とキス待ち顔で待つ水色兎。それを見て固まるsan。彼女の心の中は嵐のように荒れ狂っているに違いない。  痺れを切らした水色兎がポッキーを加えたまま「ひゃやくぅー」って急かした。やけになったsanが端にかじりついたら、そのまま折れた。  水色兎「早い!もう一回!!」  san「一回は一回!!」  水色兎「えぇー。」  san「一回は一回!!」  水色兎は渋々諦めたようだ。 《前世からの》  sanが水色兎を文化祭に招待したのって、水色兎と距離を縮めるためだったよね? 《黒猫3兄弟》  もう、完全クリアじゃんwwwwてか、ヤリ過ぎwwwww 《千》  次行ってみよう!  クレープな。これが最後か…san、お前は良くやったよ……  今回は二人分買ったみたいだな。うーん。二人とも普通にクレープ食べてんな。つまんね。 《テディ》  つまんない言ってやるなwww 《千》  あ 《元気っ子》  また何か起きたようだ 《前世からの》  期待www 《千》  い、今起こったことを、ありのまま話すぜ!  水色兎は言われた通り、ゆっくりクレープを食べていた。sanもそれに合わせてゆっくり食べていた。これだからイケメンは…  そうしたら、sanのクレープのアイスが溶けて、sanの手首を伝っていったんだ。sanは七分袖の服を着てるから素肌な。  そして、それを水色兎が舐めとった。  何を言っているか分からないって?俺も何を言っているのか分からない。 《元気っ子》  ぎぃやぁぁぁあああ!!! 《黒猫3兄弟》  ねえちゃぁぁぁぁぁぁああああんっ!!!! 《元気っ子》  sanそこ代わって、お願いだからぁっ!!!! 《前世からの》  デジャブwwww  反応は!?sanの反応kwsk!! 《千》  san「う、うわぁぁぁぁああああっ!!!///」  って、叫んで逃げて行った。クレープ落として行った。もったいねぇな。 《テディ》  千www反応ずれてるwwww 《黒猫3兄弟》  ねえちゃぁぁぁぁぁぁああああんっ!!!!wwwwwwwwwwwwww 《千》  ≪黒猫3兄弟 笑ってんじゃねぇかwwwww  じゃあ、まあ言われたことは全部やったし、時間的にsanはこのまま劇の準備に入るだろうから、一旦実況終わりな。なんかあったらまた来る。 《前世からの》  おkおk 《黒猫3兄弟》  おつかれー 《テディ》  乙 《元気っ子》  ありがとう!!





 

【俺達は】俺達のベリショが可愛すぎる【ホモ】

《ふわふわ》  やっほー。ホモーズだよ。現在文化祭の劇の準備中。 《さらさら》  ドレス姿のベリショ可愛すぎるんだけど。 《ふわふわ》  もともと目が大きくて、可愛い顔してるから。眉毛整えてメガネ外して鬘被ったらマジ女子。 《さらさら》  ベリショの可愛さに周りが気付いちゃうじゃないですかー。やだー。 《ふわふわ》  落ち着けよ。目がマジだぞ。 《さらさら》  お前こそ。 《文学少年》  はやいはやいはやい流れがはやいwwww 《乙女》  久々に顔出したと思ったら、身内で盛り上がらないでよ。私たちを置いて行かないでよ。 《ばいお鈴》  眉毛www 《前世からの》  そうだよ。この前なんて来たと思ったら安価でもないのに出てきたお題全部やったとか言ってくるしwww 《カメ子》  ベリショまじご愁傷様ですwww 《ばいお鈴》  ベリショまじご馳走様ですwww 《文学少年》  ↑ 《前世からの》  ↑↑ 《千》  新参なんだけど、前スレある感じ? 《前世からの》  あ、千だ! 《カメ子》  ≪千 いらっしゃい。しかし、なぜまだ雑談しかしてないこのスレを見ようと思ったのか。 《千》  ≪前世からの 何、ここにもいんのwwさっきぶりwww  ≪カメ子 俺今、幼馴染の学校の文化祭来てて、午後劇見る予定だから、何かの縁かと思って。てか、カメ子とばいお鈴いんじゃん。さすが腐ってやがる。 《カメ子》  同じ学校だったりしてねwwww 《さらさら》  ≪前世からの 別スレでもあったのか?  ≪カメ子 まさかwwwwてか知り合いかよwwww  前スレな。つ【俺達は】好きな人に好きな人ができた【ホモ】       つ【俺たちは】さみしいからかまって【ホモ】    あと一応スペック  ふわふわ:高1男子。ふわふわ髪。キラキラきゅるるん系イケメン。バカかわいい。身長168cm。わりと良いとこの私立の特進クラス。  さらさら:高1男子。さらさら髪。艶めかしいイケメン。いいカッコしい。身長170cm。特々クラスの上成績上位。  ベリショ(好きな人):高1男子。ベリーショート。可愛い。どんぐり眼。メガネ。性格男前。身長163cm。特々クラス。成績首位独占。  イケメン(好きな人の好きな人):高1女子。セミロング。女子にもてもて。俺たちよりもてもて。身長172cm。特進クラス。  ここはホモーズ(さらさらとふわふわ)がノンケな上に好きな人がいるベリショを落とすのを応援するスレです。 《千》  Thanks. 《カメ子》  いや、ここ会員制だし、紹介されないと入れないから。直接は知らなくてもどこかで繋がりある身内チャットだからwwwあと利用人数も少ないからよく見る名前は覚える。まあ、千とは学校の先輩後輩だけどね。 《ふわふわ》  そう言えばそうだったな。てか、お前ww後輩に腐バレしてんのかよwwww 《カメ子》  大丈夫大丈夫僕の学校ホモと腐で溢れてるから 《文学少年》  それww大丈夫じゃないwwww 《乙女》  で、今日は何してくれるの? 《さらさら》  いや、とくには。  溢れだすパッションを持て余した結果立てただけのスレだから。 《ふわふわ》  あ、やべ。サボるなって怒られた。行ってくる。 《ばいお鈴》  仕事しろwww 《前世からの》  サボるなwww ******  「次は、一年Sクラスの発表です。演目は、白雪姫。」  アナウンスが終わると、緞帳が上がり、ステージの後ろの壁をスクリーンにして、映像が映し出され、導入部分のストーリが朗読される。「実母が死んでうんぬん」のくだりだ。  暗幕の張った広い体育館には緑のマットが敷かれ、パイプイスが所狭しと並べられている。実は、このコの字型の校舎の角に当たるホール状の体育館とは別に、中央の時計に一番近い右側の塔の最上階が、発表会のできる講堂になっているのだが、そちらは今日、音楽系の発表に使われている。つまり、この場所は用途外の使用をされているわけだが、それでも学生の発表の場としては十分。毎年演劇は好評で、今年も席がほとんど埋まっていた。  ナレーションが終わると、照明が落ちて、背景が変わった。井戸のある庭で、少女が歌を歌っている。青と黄色のドレスに身を包み、ボブカットの黒髪に赤いリボンのカチューシャを乗せた、白雪姫だ。  声は、女子にしては低めだが、小さな顔に、大きな瞳の可愛らしい顔立ちをしている。客席のいたるところで、「あの子可愛い」「あんな子Sクラスに居たっけ?」などという声が聞こえた。 「ねぇ、あの白雪姫田中雅彦じゃない?」  千晶の隣で、うーん?と唸った光が訪ねてきた。 「は?誰それ。」 「小学校同じだったよ。いつもほら、イケメン二人従えてた。」  そう言えばそんな奴いたな、と思い出す。たしか、スーパーの息子だったっけ。しかしそれでは、壇上の可愛いと騒がれている白雪姫は、男ということか。  赤い模様の付いた、袖は、肘から下を絞ったボリュームのある形なので、腕の筋肉、肩のごつさは分からない。大きな白い襟のおかげで、首のごつさも隠れていて、ふわっと広がる黄色いスカートが脛までを隠しているものだから、まったく男だとは分からない。 「良くそんなん覚えてんな。つか、分かったな。」 「だってホモで有名だったから。」 「…お前が言うか?」 「ん?」  そこで「何のこと?」みたいな顔をするなよ。分かってるだろ?  さて、本来ならばここで王子が登場するわけだが、それは無しに場面が移り変わった。ここで王子が登場しなかったら、クライマックスで本当にたまたま通りかかっただけの王子にキスされてしまうことになるから釈然としないのだが、尺の都合もあるのだろう。  次に現れたのは、王女と鏡。ちなみにどちらも男である。  王女の黒基調のドレスは、襟元が大きく開いていて、まったく骨格を隠す気が無い。髪も、そのままなのだろう、黒の短髪だ。  しかし、確かに男と一目で分かるいでたちなのだが、迸る色気を感じる。黒い衣装が、彼の白い肌を際立たせ、男のものであるのに、その胸元を見ることがいけないことのように感じてしまう。  鏡役は台に体を隠して、顔だけを切り抜いた丸い銀の板に出す形で現れた。実にシュールだが、縁の装飾が凝っていて、彼自身の顔も綺麗なものだから、ほう、と感心してしまう。 「主役以外の衣装も凝ってんな。」 「いやいや、千晶ちゃんも負けてないよ。」 「黙っとけ。」 「誉めたのに。」 「黙れ。」  自分の服装のことを言われて、千晶の機嫌は急降下した。自然と折角の大きな目を顰めて、眉間に皺がよる。  今日の千晶の格好は、こてこてのロリータファッションだった。ピンクのドレスシャツの襟を出した、フリルの付いた大きな四角い襟に、大きなグレーのチェックのリボンの付いた制服風の赤い上。下は縦にフリルの飾りの付いた、光沢のあるリネン地のグレーのギャザースカートで、内側のたくさんのフリルでふわっと広がっている。ミニスカートから続く足にはお約束の絶対領域。桃色ニーソックスは、フリルと編み紐の飾り付きで、足元は丸いつま先のフリル付きリボンストラップの赤いパンプスだ。  もちろん、千晶が好き好んでこんな格好をしているわけではない。すべては姉のせいだ。千晶はいつでも男らしさを求めている。こんな格好は恥ずかしい。正直消えたい。 「というかね、あれだよ。」 「どれだよ。」  千晶は気にせず話しかけてくる光に不機嫌を隠さない低音で答えた。 「あの魔女と鏡が田中と一緒にいたイケメンだよ。」 「…小学校から高校ってけっこう顔変るよな…。」 「いや、特徴は変わんないから。多分そうだよ。」 「ふーん。」  どんなに不機嫌アピールをしても答えない。光にはなんだかんだで、保育園のころから一番不機嫌な顔を見せているから、慣れてしまったに違いない。厄介な。  それでも物語は進んでいく。白雪姫が森の中を彷徨うシーンでは、スポットライトを総動員して、影絵で森の不気味さを演出している。音楽と相まって迫力満点だ。千晶も服の事なんて忘れて、すぐに劇中の世界に入り込んでいった。  掌に人という字を三回書いて飲み込む。緊張は、収まらない。  と、いうかこの動悸が緊張のせいなのかが分からない。山田太陽は手首を押さえて、ううーと唸り声をあげた。  光の距離が近すぎる。嬉しいけど、心臓が持たない。この劇も見に来ると言っていたが、彼の顔を見てまともに演技できる自信が無い。 「いや、でも大丈夫だ。こんなに人がいるんだから、光がいたって、分からない。分からければいないと同じだ大丈夫。」  ふぅ、と大きく息を吐いて、何とか落ち着こうと努力する。そうしているうちに王子の出番がやって来た。  馬役に跨って、舞台に上がる。馬から降りたら、最初のセリフだ。そうして客席を振り返った瞬間、――見つけてしまった。  千晶を  最初は彼女だとは思わなかった。ただただ目立つから目が行った。良く見て見れば千晶だった。きっと光だけなら気づかなかっただろう。彼女がいたから気づいてしまった。  今日いないはずの彼女がなぜここに居る?というかなぜそんな恰好している?  光を見つけてしまったらどうしようとか考えていたが、こちらの方が衝撃が強かった。なにそれなにそれなにそれ、可愛い!自分、もしかしてただの可愛いもの好きなのではないかと疑うくらいにはテンションが上がった。  それでもよどみなく、セリフが口を付き演技もできている。なんだ、この役者根性。太陽は自分に感動した。ところでテンションが少し、いやかなりおかしい気がするのだが、きっと千晶のせいだろう。  しかし、次はいよいよクライマックス、口づけのシーンだ!と、いうところで… 「美しき 白雪姫よ、せめてもの慰みに、私の口付けを与えよう、ぞ…っ!?」  ――躓いたぁぁぁぁああああ!!?? ****** 《さらさら》  いやぁぁぁぁぁああああ秋dbfん:v:あpぢ 《ふわふわ》  ぎxひえおやあああああああああああああああああぁああけdvn 《文学少年》  うっわっ、びっくりした Σ(゚Д゚;) 《乙女》  何事? 《さらさら》  信じない絶対信じないーーー!!! 《ふわふわ》  もういっそ死にたい… 《前世からの》  とりあえず落ち着いて。説明してくれなきゃ分かんないよ。 《千》  ベリショとイケメンが事故キスした。 《文学少年》  え? 《前世からの》  は? 《乙女》  何で千? 《千》  カメ子まじ預言者。俺こいつらの高校の文化祭に居る。てか、俺を誘ったのイケメンだ。 《カメ子》  まwwwwじwwwwかwwwwwwwww 《ばいお鈴》  どうして!どうしてそうなったの!!じこちゅー!!!_(T T)ノ彡バンバン 《前世からの》  え!?まって、と言うことは…え!?うそぉ!!?? 《さらさら》  ≪千 お前誰だ!?俺らの知ってる奴か!?  劇の配役って、ベリショが白雪姫でイケメンが王子なんだ。後は分かるよな… 《ふわふわ》  王子が躓いて、つまづいてつまづいてつまづじてつまづじtr  うわぁぁぁぁああああんん 《千》  小学校の時イケメンとつるんでた6人グループ分かるか?そん中の髪赤いの 《ふわふわ》  ああ!あのチビか! 《千》  死ね 《ふわふわ》  うぎゃぁぁぁあああ!!!????? 《文学少年》  Σ(゚Д゚;)) 《カメ子》  あーあ。千に小さいとか言うから… 《さらさら》  どこからともなく表れた少女にふわふわがとび蹴りをくらったの図 つ(ろりろりのふわふわの服を着た女の子がふわふわ頭に蹴りを入れている後ろ姿写メ) 《乙女》  あらやだ可愛い 《前世からの》  あらやだ力強い 《文学少年》  あらやだ猛々しい 《ばいお鈴》  おまえらジュウコーン *゚ロ゚)*゚ロ゚)*゚ロ゚)ノ~★祝★~ヽ(゚ロ゚*(゚ロ゚*(゚ロ゚* 《前世からの》  断る 《文学少年》  断る 《乙女》  ウワァァン!!。゚(゚´Д`゚)゚。 《カメ子》  さらさら!千の写メ撮って僕に送って!!! 《さらさら》  なんでだよ。お前のメアド知らねぇし 《ばいお鈴》  え、カメ子って女の子に興味あるの!? 《カメ子》  ≪さらさら 千に聞いて、お願いだから!!  ≪ばいお鈴 あるよ!僕は腐男子であってホモじゃない!!でもこれとそれとは話は別だ。  聞いて驚け、彼女は普段男装で生活している男装女子なんだよ!!そ、れ、が!!!!!こんなフリフリの服を着ているだなんてぇ…っ!!!!  くぅぅ、このパッションをどうすれば…っ  ばいお鈴!!詳しいことは後日口話で!! 《ばいお鈴》  男装女子…だと…?  そのパッションは私に是非ぶつけるべきだわ!そしてbookにして昇華するのよ!! 《前世からの》  そのbook言い値で買おう 《文学少年》  同じく 《千》  お前らマジでふざけんなよ(-"- )  これは双子の姉に無理やり着せられたんだよ。着たくて着てんじゃねぇ。「変装した方が良いんでしょ?」じゃねぇよ。ふざけんな。 《文学少年》  無理やり着せられたって言うのは、身ぐるみ剥がされて着替えさせられたってことですか!?そうですね!?  なんだかんだ言いつつ姉には勝てない強気な妹!!薄い本が厚くなりますありがとうございます!! 《ばいお鈴》  ≪文学少年 おまえ…姫男子だったのか……  その本言い値で買おう。 《前世からの》  同じく 《乙女》  ていうか、何で変装してるの? 《カメ子》  ( ゚д゚)ハッ! 《ばいお鈴》  ( ゚д゚)ハッ! 《千》  ≪文学少年、ばいお鈴、前世からの おまえらマジふざけんな。蹴り飛ばすぞ。  ≪乙女 そうだよ、その話をしようと思って来たのに、お前らの茶番のせいで全然話が進まねぇじゃねぇか!沈め!!  実はイケメンが好きな人(ここでは水色兎とする)と距離を縮めたいって、mmSm...にスレッドを立ててたんだ。それで、スレ民に文化祭に誘えって言われて、グループの奴らを誘った。水色兎は前に言った六人グループの中に居るからな。でも実際にここに来たのは、俺と水色兎だけだ。理由は、イケメンと水色兎は両片思いで、水色兎はそのことを知っているから。邪魔されたくなかったんだ。  で、俺が居るのは、その二人の行動を面白おかしく実況するため。  イケメンが立てたスレ つ【もやっとボール】親友に親友ができた【投げたい】  水色兎がのっとたスレ つ【もやっとボール】文化祭で悪ふざけ【投げないで】  今の事故キス見て水色兎が動いたんだ。実況するから、みんな 【もやっとボール】修羅場実況【回収】 に移動してくれ!





 

【もやっとボール】修羅場実況【回収】

《千》  sanと白雪姫役が劇中に事故チューして水色兎が動いたんで実況を始める。    登場人物が増えるからスペック  ふわふわ:高1男子。ふわふわ髪。キラキラきゅるるん系イケメン。バカかわいい。身長168cm。劇では鏡役 。ベリショに片思い。  さらさら:高1男子。さらさら髪。艶めかしいイケメン。いいカッコしい。身長170cm。魔女役。ベリショに片思い。  ベリショ(好きな人):高1男子。ベリーショート。可愛い。どんぐり眼。メガネ。性格男前。身長163cm。特々クラス。成績首位独占。白雪姫。sanに片思い?    あと今から、【俺達は】俺達のベリショが可愛すぎる【ホモ】から人が来るからこのスレに登場してたやつらのスぺ  san(向こうではイケメン):JK1年、男より女にモテる。水色兎と両片思い。  水色兎(=兎):DK1年、親友…だよな?可愛い。金髪、蒼目、ハーフ。女より男にモテる。兎が好き。  元気っ子(=創):DK1年、兎の親友。真ん中分け、元気、家庭的。  千:JK1年、小さい、伊達メガネ、男装、ツンデレが空回って、昔は兎を泣かせてたけど、今じゃヒーロー 。san、水色兎の幼馴染。  黒猫3兄弟:sanの弟。      今sanのクラスはまだ劇の片づけをしてるから今のうちに質問を受け付ける。   《黒猫3兄弟》  急・展・開!…て、あれ? 《元気っ子》  今どこにいるの? 《テディ》  千は水色兎と一緒に居るの? 《千》  いや、俺はふわふわにとび蹴りしてから流れで片づけ見学してる。 《テディ》  どういうことなのwww 《元気っ子》  え?とび蹴り?? 《千》  上のスレ見てこい。 《文学少年》  ここか! 《ばいお鈴》  来たよー 《前世からの》  お帰り千!そしてただいま!両方追ってた私が勝ち組!! 《元気っ子》  向こうのスレの人?ようこそー 《カメ子》  読んできた。なるほど、イケメンと水色兎がくっ付けばホモーズの勝利か。 《テディ》  勝ちってなんだwww 《カメ子》  もしかして水色兎と元気っ子って、M組? 《千》  ≪カメ子 FA 《ばいお鈴》  マ・ジ・デ?  腐女子としてはショックなんだけども 《前世からの》  M組って何? 《千》  高校での俺らのグループの俗称。 《カメ子》  うきゃぁぁああああ!!!! 《ばいお鈴》  うきゃぁぁああああ!!!! 《元気っ子》  !? 《文学少年》  どうした!? 《カメ子》  千からイケメン、ここではsanか…の写真送られてきた。イケメンだった。 《ばいお鈴》  カメ子からイケメン、ここではsanか…の写真送られてきた。イケメンだった。 《カメ子》  腐男子歓喜!! 《ばいお鈴》  腐女子歓喜!! 《文学少年》  ≪カメ子、ばいお鈴 お前らケコーン(・∀・) 《カメ子》  え/// 《ばいお鈴》  え/// 《前世からの》  エンダーーーーーーー 《乙女》  イヤァァァァアアアア 《さらさら》  san「さっきは悪かった。躓いてしまって…、その…」  ベリショ「い、いや…べつに…///大丈夫だ。気にしないでくれ///」 《ふわふわ》  良いふいんき(何故か変換できない)醸し出してんじゃねぇよ!おっちね!! 《千》  いきなりだなwww 《文学少年》  おっちねとか可愛い。 《ばいお鈴》  てか、会話が何となくイケメンなんだけど。 《カメ子》  仕事しろwwww 《テディ》  ふいんきwwww君たち頭良いとかうそでしょwwww 《千》  はーい、はーい。実況始めますよ。  片づけ終わってsanがケータイ確認して外に出て行った。多分水色兎からのメールだ。尾行する。  ベリショも一緒になwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 《元気っ子》  ま・じ・か☆ 《ふわふわ》  千笑いすぎだろwwww 《乙女》  いてらー  ところでさ、さっきふわふわ達のスレ見てきたんだけど、千の格好すごく目立つよね。 《文学少年》  尾行向きじゃないことは確かwww 《カメ子》  良く今まで気づかれなかったよね。 《ばいお鈴》  あの格好ので書き込みしながら、カップル尾行とかテラシュールwwww ******  光に呼び出されて、準備室を出ると、扉の前に彼が待っていた。光は何も言わずに太陽の腕を掴むとずんずん歩き出す。 「おい、光?どうしたんだ?」 「…」 「どこに行くんだよ。」 「…」  呼びかけに答えない彼に不安になる。すっと伸びた背中からぴりぴりした空気が伝わってきて、どうしていいか分からなくなった。 「光…」  真鍮の手摺の半螺旋階段は、赤レンガの壁の途中に大きな黒枠のステンドガラスがある。旧校舎にしかないそれは、太陽だって滅多に見ることが無くて、本当だったら光と二人で綺麗だなって、言い合いたいのに。アンティークな雰囲気のこの建物と、光の容貌はとても似合っているから、二人でゆっくり回りたかったのに、前を歩く光はそんなことお構いなしにそこを素通りしてしまう。  何が彼をそうさせるのかが分からなかった。痛いぐらいの力で太陽の手首を掴んで大股で歩いている彼を太陽は知らない。太陽の知る彼は、いつも笑顔で無邪気で、ふわふわしていた。彼が怒っていることろなんて見たことがない。  昇降口を出て、建物の裏に回る。どこまで行くのだろうと思っていると、人気のない駐輪場でやっと止まった。 「太陽ちゃん。」  数時間ぶりに聞いた声は、なんだか切羽詰って危い感じがした。 「な、なんだ」  ゆっくりと振り返った光は思いつめたような顔をしている。 「光?」  一歩近づいて促すと、彼はスッと息を吸って、太陽を痛いくらいに見つめてきた。 「僕は」  青い瞳に絡め取られて、身動きできなくなる。心臓がどくんと跳ねた。 「僕は、ずっと前から太陽のことが好き。」  ――え?  彼の唇の動きがスローモーションになって見えた。耳で凛とした声を捕えた。でも、咄嗟に何を言われたのかが理解できなかった。  光は、ぽかんとしている太陽の手をぎゅっと握って、顔をぐっと近づける。Okを貰ったらすぐにでも口づけるつもりだった。 「――好きです。僕と付き合って下さい。」 「…っ、な、え…?うそ……」  距離と言葉に気づいた太陽が、狼狽えながら後ずさる。 「嘘じゃない。いつも好きって言ってた。」  それを追ってまた距離を縮めれば、彼女は今度は視線を逸らして、口の中で言葉を濁した。 「だって、あれはじゃれてるっていうか…」 「本気だよ。」  僕はいつでも本気だ。ねぇ、目を見て?分かるでしょ? 「~~っ」  光がじいっと見つめると、太陽は顔を赤く染めて、綺麗な眉間に皺をよせて、白い歯を噛みしめた。ああ、この顔は前に見たことがある。あの時もそうだ、今みたいに僕は彼女の答えを待ってた。 「太陽ちゃん。」  ――言って。僕に言葉を頂戴。  秋らしい乾いた風が肌を撫ぜていった。でも、反対に握った手は二人とも熱くて少し湿っている。  太陽が、耐えられないと、また目を逸らす。それでも、唇がどうにか動き出した。 「――私も好き。」  太陽が女の子だって、自分が男だってそんなの知らない。光は体重を掛けて彼女に抱きついた。騒然太陽はよろけるが、それでも支えてくれた。あ、キスするの忘れたな、なんて頭の隅で思う。 「どうしよう、分かってたのに嬉しい。」 「分かってたってお前…」  密着した体から彼女の鼓動が伝わってくる。きっと自分の鼓動も伝わってる。 「ねぇ、キスして良い?」 「は、はぁっ!?」 「ダメ?」  光は身長差を利用して、上目使いに伺った。  ――可愛い!  前々から思ってたけど、こいつこれ計算だろう!と今更ながら太陽は思うのだが、それでも小悪魔可愛いと思ってしまうのはいかがなものか。しかし、ダメだ。キスは無理だ。 「だ、ダメに決まってるだろう!?そんなすぐに心の準備できない…」 「やだ!」 「聞いた意味!」  何故かきりっとした顔で答えた光が続ける。 「だって、田中とキスしたじゃん!やだもん。…僕ともしてくれないとやだもん…」 「光…」  尻つぼみになる光の言葉にきゅんと胸が痛くなる。さっき様子がおかしかった原因はそこか。 「太陽ちゃんのファーストキスは僕が貰うって決めてたのに!」  しかし最後叫んだ光に少し腹が立った。 「私のファーストキスは光なんだけど。」 「え」 「保育園の時、躓いたお前が私を巻き込んで転んだ時に」 「え、え、あれカウントしてたの!?」 「したよ!しかもお前あのあと私に無理やり好きって言わせただろう!?忘れるもんか!」  今度は光の顔にぶわっと熱が集まる番だった。  覚えてる。光だって覚えている。それは彼がさっきの告白の最中にも思い出したことだった。 「う、うわぁ…どうしよう、嬉しい。」 「というかさっきの事故カウントするならそっちもカウントするだろうに。」 「うぅー…。でも、ちゅーしたいぃ…」 「………」  さっきまで余裕な顔をしていた光が自分の言葉に振り回されている。それを見て、太陽の胸に何かが込み上げてきた。 「光」 「ふぇ?」  涙目の彼が顔を上げる。  ああ、これは――愛しさか  彼の雪のように白い頬に手を添えて、チェリーピンクの唇に口づけた。 ****** 《黒猫3兄弟》  えんだぁぁぁぁぁぁぁあああああ 《元気っ子》  いやぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ 《千》  さて、俺は2人を煽る作業に入る。 《ふわふわ》  千「「And I will always love you~~~~~~~!!!!!」  san「うわぁぁぁぁああああっ!!???」  水色兎「( ゚д゚)ハッ! will always love you~~~~~~~!!!!!」  san「うわぁぁぁぁああああっ!!???」  千と水色兎の発音が良すぎてwwww 《文学少年》  wwsanwwwwwwwww 《さらさら》  俺達は雅彦を励ます作業に入る。 《カメ子》  ≪さらさら そwうwいwえwばww 《文学少年》  酷い…wwww 《カメ子》  いや大丈夫だから、ホモーズが優しく励ましてるからwww慰めてるからwwww 《ばいお鈴》  それはエロいですか? 《前世からの》  ↑どういうことなのwwww 《千》  あ、このスレもう好きに使って良いから。 《ふわふわ》  また縁があったら俺らのスレで合いませう!! 《さらさら》  せう!! ****** 《カメ子》  だから、3Pの美味しいところは前から後ろからぐっちゃぐちゃとかいうエロだけじゃなくて、壁ドンならぬ相方ドンができるっていうキュン萌えがあって。 《ばいお鈴》  サンドイッチ美味しいよね!ね!! 《san》  なんだこのスレ!? 《前世からの》  あ、エンダァァァァァァアアアしたsanだ。 《テディ》  今更何しに来たんです? 《san》  何って、報告しに来たら何故かすでに報告されてたんじゃないか!!何故か夕飯赤飯だから変だと思ったんだ!!三つ子から筒抜けじゃないか!!!! 《ばいお鈴》  wwwwwwww弟wwwwナイスwwww 《元気っ子》  もう全部読んできた? 《san》  とりあえず乗っ取りと実況は読んできたよ。大混乱だよ。なんなの皆、私を騙してたのか…酷い。 《水色兎》  騙してたと言うかなんというか。 《san》  特にお前は許さない。私の気持ちを弄んだな。 《水色兎》  ち、違うよ!まって、 《カメ子》  おっと修羅場か。 《san》  私の反応見て楽しんでたくせに。私は本気でどうにかなるかと思うくらいどきどきしたのに…一人でバカみたいだ…… 《水色兎》  待ってよ、確かに反応を見て楽しんでたけど、それはsanちゃんの可愛い反応が見たかったからで、本当にsanちゃんのこと好きだkらだから!!1 《san》  …知らない。 《元気っ子》  (><;@)アワワ (((( ;゚ρ゚)))あわわわ 《黒猫3兄弟》  水色兎が家来た。 《文学少年》  お! 《黒猫3兄弟》  玄関を開ける半泣きの姉ちゃん。  san「何しに来たんだよ」  水色兎「sanちゃん!」ギュッと抱きつく。  水色兎「遊んでごめんね。でも、本当にsanのこと好きだから、大好きだから!!」  san「~っばか!こんなところで何言ってんだ!?」  水色兎「じゃあ、何処で言えば良いのさ。」  san「……私の部屋……?」  水色兎「…良いの?」  で、部屋入っていった。  もうラブラブ仲直りでしょ。良かったー 《san》  おい!! 《黒猫3兄弟》  うきゃぁvV 《乙女》  きたwwww 《カメ子》  ≪黒猫3兄弟 嬉しそうだねwww 《san》  何を実況してるんだ!?  というかそれより…どうしよう…… 《前世からの》  何?水色兎とナニかあったの??(ワクワク 《文学少年》  ↑ 《テディ》  ↑↑ 《水色兎》  ≪前世からの 変換に悪意しか感じない。  違うよ、ホモーズの方のスレッド読んじゃったんだよ。 《前世からの》  あ↑ 《乙女》  あぁ↓ 《ばいお鈴》  ああ… 《黒猫3兄弟》  …あのさ 《san》  …なんだよ 《黒猫3兄弟》  んーー。本当は内緒にする約束だったんだけど、ベリショの気持ちばれちゃったから、言っても良いかな?って… 《san》  ?お前らとあいつ接点無いだろ? 《黒猫3兄弟》  ところがどっこい!!  こちらベリショの立てたスレです。つ【自分も】最近おかしい【まわりも】                  つ【周りが変?】ちょっと理解できません【俺が変?】 《san》  え?





 

【俺達は】作戦会議!【ホモ+α】

 下校する高校生であふれる駅前商店街。その中に、ひときわ目を引く美少女がいた。  耳下で切りそろえられたソバージュヘアーに包まれた小さな顔に、形の良いパーツが計算しつくされた配置に並ぶ。大きなタレ目に、泣き黒子。細い眉毛はツンとつり、口元はにぃっと弧を描く。厚めの瞼と唇は艶っぽいのに、表情は生意気な子供の様。  グレーのセーラー服が良く似合うが、同じ制服を着た生徒は周りに見られない。  それもその筈、このセーラーは何処の学校のものでもない。そして少女は女子高生でもない。公立車百合高校、男子校に通う男子高校生だ。  彼女否、彼は黒い合皮のスクールバックからテディベアデコレーションのキラキラ光るケータイを取り出した。 「あ、もしもし熊―?今日、三馬鹿のとこ行くから―――」  彼の名前は石松成人、チャットネームは『テディ』。 ****** 《テディ》  乗っ取りうぇぇえええい!!! 《元気っ子》  !? 《文学少年》  !? 《ふわふわ》  どうしてこうなった。 《さらさら》  こうしてこうなった。 《テディ》  耳下までのソバージュヘアー、大きな垂れ目のキュートボーイ☆チャームポイントは泣黒子!男子校で姫役やってます☆男の娘代表、テディ参上!!  実はホモーズとベリショのリア友だった僕が一肌脱ごうという 《ふわふわ》  中学の同級 《さらさら》  悪友 《前世からの》  ほう 《テディ》  見切り発車 《前世からの》  wwwwwwwww 《テディ》  見切り発車でも良いじゃない!僕はこいつらをどうにかしたい!! 《水色兎》  そうだね、このまま放っておいたら絶対有耶無耶なまま終わるもんね。正直、テディがいなかったら、このスレ続ける気なかったでしょう? 《乙女》  え?なんで? 《千》  ホモーズのスレの目的は、ベリショの恋を失敗させること。  ベリショのスレの目的は、ホモーズとの仲を元に戻すこと。あとはsanとの恋愛相談。  どっちも解決or答えが出てる。 《乙女》  ≪千 理解した。 《テディ》  それでは困る! 《水色兎》  sanちゃんが気にしちゃう! 《カメ子》  3Pが見れない! 《ばいお鈴》  3Pが見れない! 《前世からの》  3Pが見れない! 《テディ》  面白くない! 《文学少年》  三人のことを思い遣ってやる人はいないのかwwwww 《さらさら》  俺たちはこのままでいいのに。 《テディ》  でもこのままだとまた同じようなことがおこるとも限らない。 《ふわふわ》  ヤダ! 《テディ》  じゃあ、モノにしよう。 《ふわふわ》  分かった!  やるぞ、さらさら!! 《さらさら》  よっしゃ!! 《千》  おまえら、ちょろ過ぎるだろ 《テディ》   どんぐりのスレみて思ったんだけど、こいつもうホモーズのこと好きだろう。認めてないけど。 《水色兎》  まあ、sanちゃんのこと好きっていうのも、自分の気持ちをごまかすために言ってるみたいなところあるよね。 《san》  そうなのか!? 《テディ》  そうそう。二人を同時に好きになってしまった心の葛藤のちの逃げ場てきな。つまりやつにホモーズに対する恋心を自覚させれば万事OK 《前世からの》  でも実際何するの?もうすでに結構いろいろやってるよね? 《テディ》  とりあえずあっちに怪しまれないようにこっち側のスレの話は向こうでしないでほしい。というか、いきなりスレ民が増えるのも怪しいから、代表を決めてホモーズのことを意識させる方向に動いてほしい。 《san》  それはもとから向こうのスレに居る三つ子がやれば良いんじゃないか? 《黒猫3兄弟》  任された!! 《水色兎》  sanちゃんはこんな爛れたスレ見ちゃダメ!! 《san》  おまえは私を何だと思ってるんだ 《文学少年》  wwwwwwwwwww 《乙女》  ホモーズの今までのスレ見てて今更じゃない? 《水色兎》  じゃあ、今から僕が爛れた話を始めるから見るの止めて。 《文学少年》  wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 《千》  wwwwwwwwwwwwwそれこそ今更wwwwwww 《黒猫3兄弟》 (カラクサ)良いかっこしい! (ペイズリー)かわいこぶりっこ! 《水色兎》  きこえなーい 《黒猫3兄弟》  姉ちゃん騙されてるよ!! 《san》  いや、別に知ってる。 《元気っ子》  Σ(゜Д゜) 何か白昼夢見ちゃったww水色兎が爛れた話をするとか宣言するwwwありえないよねwwwww 《千》  おまえwwwマジかwwww 《ばいお鈴》  むしろ水色兎を神格化してるのは元気っ子だったwww 《水色兎》  じゃあ、いいや。  ところで、男たるもの自慰をするものですが。 《前世からの》  いきなりぶっこむなwww 《文学少年》  下い話が早いwww 《水色兎》  あの三人をくっ付けるには、ベリショがホモーズで自慰している最中にホモーズを放り込むしかない。 《さらさら》  なんでそうなった。 《千》  ぶっ飛びすぎだろ。 《san》  元気っ子、生きてるか? 《元気っ子》  み、水色兎の口から自慰とか……/// 《千》  こいつ、新しい扉開きかけてるぞ。 《水色兎》  ≪元気っ子 え、ただでさえうざいのに、キモイまでスペックに追加するの?    じゃあ、どうすればいいと思う? 《乙女》  てゆうかぁ、ホモーズのスレ見せれば一発じゃないの?二人だって三人でくっ付きたいと思ってるんだよ。 《テディ》  あー、それダメみたい。  今、ホモーズが三人でラブラブチュッチュしたがってる旨を伝えてきた。 《千》  何、単独行動してんだよ。 《テディ》  いや、なんかめんどくなって。 《ばいお鈴》  自由すぎるwwww 《カメ子》  行動早すぎるでしょ、どうなってるのwww 《テディ》  僕、今ホモーズと一緒にさらさらの家に居るんだけど、ホモーズとベリショの家って三件隣り合ってるんだよね。だからちょちょっと  結果、あの子は手におえないへたれだったよねー  「でも、だって」のオンパレード。まあ、大体それで良いなら彼らが押せ押せの時に落ちてる訳だけどね。もっと言い逃れできない場面で追い込まないとダメみたい。 《千》  まじかー 《水色兎》  ほら、だからね。ベリショがホモーズで自慰している最中にホモーズを放り込むしかない。 《千》  それはおまえ、現実見ろよ。どうやってその状況つくるんだよ。 《水色兎》  それはー…  僕らが協力したらばんじok!!!フッフーー!!!  ①あー様(千の姉)が媚薬&自白剤を用意します。彼女は魔女なので朝飯前です。  ②M男(お兄の彼氏兼ストーカー)が盗聴器を用意します。彼はお兄のストーカーを続ける内にどんどんスキルを磨いてこちら方面の知識が引くほどあるのできっと高性能な盗聴器を貸してくれることでしょう。  ④ホモーズがベリショの部屋に盗聴器を仕掛けます。  ⑤テディがあー様の薬入りお菓子を作って、クリスマスプレゼントと称してベリショに渡します。「ちょっと味と見た目に自信ないから、絶対、ぜーったい家で一人で食べてね!!」ちなみになぜテディが渡すかというと、ホモーズから手作りなんて怖すぎるし、僕だと関係が無さすぎて、何で?ってなるからです。  ⑥ベリショはホモーズをオカズに自慰するだろう、まあ、違かったら次考えれば良いし?  ⑦そして最中にホモーズが突撃=3P 《さらさら》  つっこみどころ満載なんだが。 《ふわふわ》  スペックがおかしい。 《乙女》  え、魔女?M男?? 《黒猫3兄弟》  うぉぉぉぉぉぉおおおっつtっつtっつtっつ!!!!あー様あー様あー様あー様あー様あー様あー様あー様あー様あー様あー様あー様あー様あー様あー様あー様あー様あー様 《文学少年》  ≪黒猫3兄弟 何これ怖い。 《黒猫3兄弟》  ごめんな。ドット兄ちゃんが興奮しちゃって… 《水色兎》  ドットはあー様信者だもんねぇ… 《カメ子》  信者なんだwww  て、いうか⑦!! 《ばいお鈴》  キタコレ―――!!!





 

【俺は】幼馴染の奇行を語るスレ【のんけ】

《どんぐり》  王子とピカリンが無事リア中になったので、今日はその報告と、その後の幼馴染の奇行を語るから、今後の俺の身のふりを一緒に考えて欲しい。 《黒猫3兄弟》  おひさー 《村人B》  え!?王子とピカリンくっついちゃったの!? 《天使様》  奇行って今更じゃねぇの?   《どんぐり》  ≪村人B 文化祭中に…  ≪天使様 まったくその通りだが、とりあえず聞いてくれ。  文化祭で、姫役の俺と王子がラストシーンで事故チュウしてしまったんだ。それに嫉妬したピカリンが、王子を呼び出した。  俺は、魔女と鏡と、何故か一緒に居たピカリンの連れのロリータ少女と一緒に尾行。  ピカリンは王子を裏庭までひっぱていくと、そこで告白した。  王子の答えはもちろんYES  そかもその場でキスまでしだして。  そしたらロリータ少女がオールウェイズ・ラヴ・ユーを歌いながら飛び出して行って、ピカリンと一緒になって熱唱。  王子ポカーン  俺もポカーン 《村人B》  さーてどこからツッコもうか。 《天使様》  ロリータ少女ってなんだ。 《黒猫3兄弟》  ゴメン、状況がカオスすぎて笑っちゃうんだけどwwwww 《どんぐり》  ≪天使様 今後登場する来る予定はないんだが。スペックいるか?  ≪黒猫3兄弟 まったくその通りだから仕方ない。 《天使様》  気になるからくれ。 《どんぐり》  ロリ:王子、ピカリンと幼馴染。赤髪癖毛ショート。細くて小柄だが、それを気にしている。つり目で目が大きく可愛らしい顔立ちをしているが、それを気にしている。性格口調、趣味趣向は男前。ロリータ服は姉に無理やり着せられた。  これで良いか?俺は文化祭でしか会っていないから詳しいことは知らないんだ。小学校は一緒だったらしいんだが… 《天使様》  サンクス 《黒猫3兄弟》  どんぐり、結構落ち着いてるけど、落ち込んでないの? 《どんぐり》  傷心していたから報告が遅くなったんだ。 《黒猫3兄弟》  ごめん。でも、それじゃあ今は気持ちの整理ができたってこと? 《どんぐり》  まあ… 《天使様》  どんぐりの王子が好きってのは、幼馴染との仲をどうにかしたいって気持ちの上にあったからな。本当はそこまで本気じゃなかったんじゃないのか。 《村人B》  ああ、どっちかっていうと幼馴染優先だったよね。 《黒猫3兄弟》  そうそう、ホント利用するみたいな形で好きとか言って欲しくないよな。俺らの姉ちゃんなのに。 《どんぐり》  …すまん……  しかし、本当に彼女のことは好きだったんだ。  交際をしたいと思ったのは、二人のことが原因だが、好意を持っていたことは事実だ。 《天使様》  なるほど。 《黒猫3兄弟》  でもさ、それって、ひな鳥が初めて見た人を好きになるみたいなものじゃないのか?  幼馴染以外の人で初めて普通に接してくれたのが王子だったから好きになったんであって、恋愛感情じゃなかったんじゃないのか?  幼馴染とどっちが大事なのよ!って迫れれたら、幼馴染って言うんだろ? 《村人B》  どうしたんだよ、やけに突っかかるな。 《黒猫3兄弟》  わるい。姉ちゃんがどんぐりのこと気にしてるからつい… 《どんぐり》  え!?どういうことだよ!!? 《黒猫3兄弟》  姉ちゃん、どんぐりが姉ちゃんのこと好きって知ってるんだ。 《どんぐり》 《天使様》  どんぐりが息してない。 《村人B》  ≪黒猫3兄弟 その話詳しく。 《黒猫3兄弟》  詳しく言うほどのことはないんだけど…  なんで知ってるのかは俺らも知らないんだ。でも知ってるし、気にしてる。どんぐりがふっ切れてるんなら良いんだけど。 《どんぐり》  すまない。でも、王子が気にすることは何もない。  俺はもう気持ちの整理はできている。幼馴染との関係も前スレのうちに戻っているしな。 《黒猫3兄弟》  そっか、なら良かった。姉ちゃんはいつも通り接するつもりでいるみたいだから、そっちも幼馴染といつも通りバカやってなよ。そしたら、姉ちゃんも安心すると思う。  なんか、空気重くなっちゃったな。幼馴染の奇行ってやつで和ませてくれよw 《どんぐり》  ありがとう。じゃあさっそく。  俺達三人の家は、俺の家を挟んで隣り合っていて、魔女の部屋とも裕介の部屋とも窓から会話ができるくらいに隣接している。それで、二人がお互いに借りたものや、お互いの家に忘れた物なんかをよく俺の部屋経由で返したりするんだが……      今日、魔女の部屋から俺の部屋に鏡のパンツが投げ込まれた。 《村人B》  はぁ? 《黒猫3兄弟》  どういうことなのwwwww 《どんぐり》  魔女「どんぐり、鏡の忘れ物。」    窓からビニール袋パンツが投げ込まれる。みれば、パンツは白い粘着質の液体で汚れていて、俺は吹き出した。  すると逆側の窓から、声がかかる。    鏡「それ、練乳だよ。」  俺「ああ、練乳ね、練乳か!」  ん?なぜ、パンツに練乳が…  鏡「…練乳プレイ…」  俺「練乳プレイ!?」  俺が知らない間にそういう関係になっていたらしい…… 《天使様》  ストップストップストーーーーーップ!!!!! 《黒猫3兄弟》  アウトーーーーーー!!!!! 《村人B》  てか、解決してない!  二人はつきあってないんじゃなかったの!? 《どんぐり》  あくまでセックスフレンドらしい。 《村人B》  いやいやいやいやいやいや? 《天使様》  困惑 《村人B》  お前それで良いのかよ? 《どんぐり》  ?恋人じゃないのなら俺はいつも通り接して良いのだろう? 《天使様》  こいつ今絶対きょとん顔してる。 《黒猫3兄弟》  てかさ、そういうのって普通気持ち悪いとか思うもんじゃないの? 《どんぐり》  気持ち悪い…か。特に思わなかったな…。 《黒猫3兄弟》  ところでさ、前回、前々回のスレでお前がおかしい事ってなんだ。 《村人B》  急だな。でも俺もちょっと気になってた。 《天使様》  前聞いたら逃げたしな。 《どんぐり》  いや、本当に大したことじゃないんだ。 《黒猫3兄弟》  うそだろう。大したことじゃないのに二回もスレタイに入れるものか。触れてほしいから書いたんだろう。逃げるんじゃない。 《どんぐり》 《村人B》  ≪黒猫3兄弟 今日本当にキャラ違うね。どうしたの?  でも俺も何かあるなら言って欲しい。 《天使様》  ≪どんぐり どうしたんだ? 《黒猫3兄弟》  ≪村人B 俺はドットだ。いつもはカラクサかペイズリーが書き込んでいるから少し印象が違うのかもしれない。あいつらはすぐに茶化すからな。今日は真剣に語りたかったので代わったんだ。 《どんぐり》  ≪天使様 黒猫3兄弟の口調が王子に似ていたから固まっただけだ。そうか、今日はドットなのか…(ドキドキ  ≪村人B いや、俺もまだ良く分からないんだ。ただ、幼馴染を見ているとこう、胸がモヤモヤするというか… 《黒猫3兄弟》  いつごろからそう思うようになったのか、どういう時にそう思うのかを具体的に。 《どんぐり》  二人が交際をしていると言いだしたあたりからだな。二人が一緒に居るとイライラした。  それで、余りにもイライラするものだから、自分の独占欲が強すぎるのではないかと思い、最初のスレタイでは【自分も】最近おかしい【まわりも】と書いてみた。    しかし、この時ももやもやしたと言えばそうだが、今はまた少し違う。  二人が、交際をしていたというのが俺の気を引くためのうそだったと分かってから、二人を見ると目のあたりがカッと熱くなるようになった。  近くに居ないと、あいつらの姿を目が捜してて、見つけるとホッとして、笑いかけられると泣きたくなって、  スキンシップが激しいのは昔からなのに、今は平常心じゃいられないと言うか…  二人に話しかけられると耳に全神経が集中したみたいになって、触られれば、触られた場所に全神経が集中したみたいになる。  息も上がるし、胸がぎゅっと締め付けられて、  ………苦しいんだ。 《村人B》 《天使様》 《黒猫3兄弟》 《どんぐり》  何かの病気じゃないだろうか。 《天使様》  おいまてや。 《村人B》  え?病気??(何でだろう、上の文章読んでたら俺も苦しくなってきた。これも病気、なのか…?) 《黒猫3兄弟》  落ち着け、皆落ち着けよ?  えーと、まずはあれだ。王子に対してはそういう風にならなかったのか? 《どんぐり》  なんで王子なんだ?王子は普通にかっこいいと思っていたが。 《天使様》  おうふ…(まあ、まえから薄々思ってたけど…) 《村人B》  それは…恋ですね。(まあ、じつは筒抜けだったけど…) 《どんぐり》  だから、王子が好きだって言っただろう? 《黒猫3兄弟》  そっちじゃねぇよ!! 《村人B》  <速報>どんぐりは王子に恋なんてしていなかった。 《天使様》  <速報>どんぐりは鈍感だった! 《デコリーン》  <速報>どんぐりは鏡と魔女に恋しちゃってルンルン♪ 《どんぐり》  え、え!?なんでだよ!違うだろ!! 《村人B》  ≪デコリーン 初めましてだ。 《デコリーン》  初めまして!!三つ子の姉で、王子の妹のデコリーンです☆  私だけ仲間はずれとか!(`m´♯)プンプクリン 《黒猫3兄弟》  姉ちゃん!!  じゃあ、俺ら紛らわわしいから王姉、デコ姉って呼びわけるわ。 《どんぐり》 《天使》  どんぐりが死んだ。 《村人B》  どんぐりは、失恋相手の身内に包囲された!! 《黒猫3兄弟》  ↑失恋じゃなかったことが判明している。 《村人B》  そうでした。 《デコリーン》  どんぐりはどうしてそこまで頑なに恋じゃないって言うの?どう見ても恋じゃない。自分で言ってて分かんないの?? 《どんぐり》  だって…  二人のどっちにも同じ反応をするんだ。  恋だったら、どっちか一人だろう?どちらかに比重が傾くことは無いから恋愛感情ではない。 《デコリーン》  二人に同時に恋してるんですね、分かります。 《どんぐり》  だから違うって。 《天使》  そもそもどうして王子に恋してるだなんて思ったんだ?ただの憧れじゃないか。 《村人B》  二人を同時に好きなことに抵抗を覚えて王子に逃げてたんじゃないの?   《黒猫3兄弟》  世の中には一夫多妻・一妻多夫というものがあってだな。 《どんぐり》  ≪黒猫3兄弟 それは、男女の人口比率や、出生率、人口の関係で一部的にとられている制度だろう。日本の話じゃない。 《デコリーン》  土地や条件によって変わる価値観なんて、ゆっるゆるのふっわふわだよ。個人によっても違うでしょ。日本とかそういう問題じゃない。 《黒猫3兄弟》  倫理とか、世間体とかに邪魔されて、自分の気持ちを正しく捕えらていないんだろう。三人の利害はすでに一致している。 《どんぐり》  だから、違うって言っているだろう!! 《天使様》  こいつ、頑なだぞ。 《どんぐり》  二人を同時にとか、不誠実じゃないか。二人に失礼だ。  俺はもう寝る。問題はすでに解決しているし、報告もした。もうこのスレには来ないだろうから好きに使ってくれて構わない。今まで相談に乗ってくれてありがとう。 《デコリーン》  あ!! 《天使様》  おーい!!どんぐり!? 《村人B》  まじでいなくなったのか? 《黒猫3兄弟》  何という消化不良。 《天使様》  まじで?これで終わり??まだロムってるんじゃねぇの?? 《村人B》  どんぐりの奴。毎度逃げ過ぎだろう。 《デコリーン》  まあ、男同士な上に二人同時にって、抗いたい気持ちも分かるけどね… 《村人B》  まあ、祝福されるものでないのは確かだしな。このまま気づかないふりを続けた方が幸せなのかも… 《天使様》  お互いに好きだって分かってるのにこのままなのか?それって苦しくないか? 《村人B》  思いが通じても障害だらけじゃどっちにしろ苦しいよ。 《天使様》  どうせ苦しいなら、想いを伝え合った方が良い。 《村人B》  でも、それで家族や身の回りの人にも迷惑が掛かったら? 《天使様》  それで我慢するとか、周囲のために自分が犠牲になるってことだろ?  あいつらは、家のことで長い間辛い思いをしてきたんだ。ここから幸せになったって良いじゃないか。 《にゃんこ王子》  もう、どんぐりは見ていないみたいだな。  俺は、どんぐりと鏡と魔女の幼馴染兼どんぐりの親分だ。俺もあいつ等のことは気にしていた。  俺の親はどんぐりたちの親の上司に当たる。うちは同性愛やそのたもろもろ理解がある。もし、あいつらが親に反対されるようなら、説得を手伝ってくれるはずだ。三人には幸せになってもらいたい。 《村人B》  え!? 《天使様》  何か出た! 《デコリーン》  ピカリンのお兄さんの彼氏のにゃんこ王子さんじゃないですかぁ 《天使様》  また身内ww 《村人B》  お兄さんの彼氏という時点でもうwww 《黒猫3兄弟》  にゃんこ王子がきても何も言わないということは、本当の本当にどんぐりはいないみたいだな。じゃあ、村人Bと天使様にはスレを移動してもらおうか。





 

【俺たちは】作戦実行!【乗っ取られたホモ】

《水色兎》  ホモ以外は帰ってくれないか! 《文学少年》  ホモでーす。 《テディ》  ホモでーす。 《前世からの》  腐女子でーす。 《乙女》  腐女子でーす。 《ばいお鈴》  腐女子でーす。 《カメ子》  ┌(┌ ^o^)┐ホモォ… 腐男子でーす。 《黒猫3兄弟》  ピカリンがホモじゃない件 《元気っ子》  ぴっかりーん! 《水色兎》  はーい! 《san》  お前ら仲良いな。 《千》  さて、茶番はしまいにして、実りのある話をしようか。 《カメ子》  このスレでの実りのある話=ホモ話 《ばいお鈴》  ≪カメ子 《テディ》  黒猫3兄弟がやってくれました。 《水色兎》  ベリショが無事ホモーズへの恋心を自覚。 《黒猫3兄弟》  誉めて誉めて 《文学少年》  何この三つ子可愛い。 《デコリーン》  ≪黒猫3兄弟 おーよしよしよしよしよし 《前世からの》  むつごろうさんがいるwww 《黒猫3兄弟》  デコ姉に髪ぐちゃぐちゃにされたナウ 《乙女》  wwwwww 《テディ》  ところで、ベリショスレから来た人は追いついていますか。 《村人B》  はいな  いやー、まさかこんな面白いことになっていたとは。 《天使様》  ほいな  なんで俺、ベリショのスレなんかに居たんだろう。こっちのスレにいたらもっと前から面白かったのに。   《テディ》  じゃあ、作戦実行するか。 《村人B》  そんな軽いノリでww 《テディ》  ≪村人B いつかは落ちる出来レースだから。  では協力者の方に登場してもらいましょう。 《あー様》  薬担当、あー様よ。  好きなものは不思議。千の姉よ。 《M男》  盗聴器担当M男だよ。  好きなのは水色兎のお兄さん。カメ子の従兄弟だよ。  《ホモーズ》  盗聴器を仕掛けるの担当。  好きなのはベリショ。スレ主だったはず。 《テディ》  ベリショに自白剤&媚薬入りクッキー作ったよ。そして渡してくるよ。  好きなものはテディベア。学校ではプリンセスって呼ばれてます☆ 《黒猫3兄弟》  あああああああああああああああああああああああああああさまあああああああああああああああ 《千》  ドットwwwwwww 《黒猫3兄弟》 (カラクサ&ペイズリー)兄ちゃん… 《デコリーン》  wwwwwwwwwwwww乙wwwwwwww 《文学少年》  みんなwwwおつかれーwww 《乙女》  おっつーwww 《テディ》  今さらさらの部屋。ここにいるのは僕とホモーズと水色兎の四人。  女子がいたらベリショがあんまりにも可哀そうだからいない。  M男は興味が無いから居ない。  盗聴器は仕掛け済み。今からクッキー渡してきます。 《カメ子》  かわいそうって、今更… 《ばいお鈴》  ここで報告するくせにwww 《文学少年》  Mwww男wwwwwwもっと興味もとうよwwwww 《ホモーズ》  テディ帰って来るまでの時間ひま 《乙女》  実況無し? 《水色兎》  千かカメ子かM男かカラクサがいたらできたね。 《天使様》  千ーーーー!!!!!! 《ばいお鈴》  カメ子ぉおおおおお!!!! 《元気っ子》  M男ぉぉぉぉおおおお!!!!! 《デコリーン》  カラクサーーーーーー!!!!! 《カメ子》  いやいや、僕ホモーズと接点ないし。 《千》  女子来るなって言ったのそっちの癖に。 《黒猫3兄弟》 (カラクサ)教育に悪いって言われてついて行くの止められた。 《san》  ≪黒猫3兄弟 小学生がこのスレに居ること自体どうかと思ってる。 《ホモーズ》  三つ子小学生かよ。 《水色兎》  ≪カメ子 このチャット実は身内ばっかりだから、たどる? 《カメ子》  ≪水色兎 もしかしたら接点があるかもしれないってことだね。 《ホモーズ》  テディ帰って来た。 《テディ》  報告。  僕「べっりしょくーん」ピンポンピンポンピンポーン  ベリショ「はい。」  僕「ちゃお。」  ホモーズだと思って出てきたみたい。ちょっとビックリしてた。  ベリショ「テディじゃないか、久しぶり。どうした?」  僕「熊(僕の彼氏)にクリスマスプレゼントでクッキーあげようと思って、試作品作ったから食べてもらおうと思って。」  クッキーを渡す。さっそくベリショが一口食べる。  僕「ところでこの後何か予定あるの?」  ベリショ「いや、特には。」  僕「じゃあ、良かった。」  ベリショ「?」  僕「いや、こっちの話。味どう?」  ベリショ「良く焼けてるよ。美味しい。」  僕「良かった。じゃ、それだけだから。早く部屋戻った方が良いよ。」  ベリショ「?」  で、帰って来た。 《元気っ子》  「ところでこの後何か予定あるの?」  「いや、特には。」  「じゃあ、良かった。」   白々しいwwwwwwwwwww 《文学少年》 _人人人人人人人人人人人人人_ > 早く部屋戻った方が良いよ <  ̄Y^Y^YY^Y^YY^Y^YY^Y^YY^Y^Y ̄ 《前世からの》  「早く部屋戻った方が良いよ」wwww意味深wwww 《乙女》  テディ彼氏いるの? 《村人B》  もしかしてって思ってたけど、テディ後輩だった。彼氏の名前で確信した。 《ばいお鈴》  え!?村人Bの後輩なの!? 《カメ子》  村人Bと僕リア友wwwおうふwwwつながったwwwwww   《村人B》  ≪カメ子 お前、誰だ 《カメ子》  えええwwwwwあなたの妹と仲の良いwwwww腐男子カメ子ですけどwwwwwwwwwww 《村人B》  お前だったのか。 《カメ子》  暇を待てあました 《村人B》  神々の 《カメ子》  遊び 《千》  茶番乙 《ホモーズ》  何これやばい 《天使様》  何が? 《黒猫3兄弟》  どうした? 《デコリーン》  そうこうしている間に動きが。   《水色兎》  枕元に仕掛けた盗聴器から、衣擦れの音と荒めの息遣いが聞こえてきた。これは… 《カメ子》  わくわく   《ばいお鈴》  てかてか 《水色兎》  はい、ホモーズの名前来ました!予定調和すぎて若干こわい!!ホモーズを窓から襲撃させます!!! ******   部屋に戻った雅彦は、徐々に体が熱を持っていくのを感じていた。おかしい、クッキーに毒でも盛られたのか。友人に対して、ありえない想像をしているとは分かっている。しかし、脈拍は異常に早いし、体から力が抜けて立っていることもままならない。怖くなり、自らの体を抱きしめた。 「ん…っ」  ぎゅっと締め付けた体が、甘く疼く。 「は、…ぁっ」  そろそろと手を動かして、体を触ってみると、じんと脳が痺れた。 「ンあっ」  ベッドの端に頭を預けて悶絶する。おかしい、自分の手なのに、ただ触っているだけなのに。熱い、気持ち良い、おかしくなる。  雅彦はズボンの前を緩めると、恐る恐る自身に手を伸ばした。 「…ひぃっ、ぁ…っ」  先端に触れただけで、ビクンと体が跳ねる。 「ぁ…んゃ、だ…っこんな…おかし…っ」  これ以上はおかしくなりそうで触りたくないのに、指先は勝手に動き、鈴口を擽り続ける。助けを求めて伸ばした左手が、白いシーツに皺を寄せた。 「あっ、あっ、んぁ…っ」  右手の動きは、快感を求めて止まらないのに、感じ過ぎる恐怖に強く抜くこともできない。じりじりと焦れて脳がぐちゃぐちゃにかき回されるようだ。 「ゃ…こわい…っ、ゆーすけ、まことぉ…っ!」  無意識に呼んだ名前に、どくんと手の中のそれが脈打った。二人の顔を思い浮かべると、それだけで快感が増して、驚いて反射で自身をぎゅっと握った。 「ぁぁぁああ…っ」  喉の奥から嬌声が漏れ出し、背がしなる。ビュクンッビュクンッと白濁を吐き出しそこは、手の中でぴくぴく震えて、その感覚にまた熱を宿した。 「え、もうイっちゃったの!?」 「折角呼ばれたのに!」  雅彦は頭上から聞こえた声に硬直した。自分しかいないはずの室内で、聞こえる筈の無い聞きなれた声。どろどろに蕩けた思考でも、これが見られてはダメな場面であることは分かる。 「は、ぇ…?何で…」 「何でって、呼んだだろ?俺より先に祐介を呼んだのは頂けないけど。」 「妬くなよ真琴。雅彦が俺らの名前を呼んでイったのは事実なんだからさ。」  ダメだダメだ、何がダメなのか分からないがダメなものはダメだ。脳内で赤ランプの回ったまま硬直する雅彦を真琴が抱えてベッドに上げた。 「あっ」  それだけ艶めいた声が上がる。触られただけで、転がされただけで、布が背を擦っただけで甘い快感に全身を擽られる。  すぐに上体を起こされて、背中側に真琴が、正面に祐介が陣取った。  背後から絹ずれの音が聞こえてきて焦る。 「おい、まて…、おれは…っ」 「うんうん。分かってる。俺らのこと愛しちゃってるんだよな。」  そう言う真琴に反論できない。ねっとりと耳元で囁きながらもう片方の耳を擽ぐられてしまえば、反論したくても熱い吐息ばかりが漏れてしまう。 「俺らも雅彦のこと大好きだから一緒に気持ち良くなろうな?」  言いながら裕介が雅彦のズボンを下着ごとはぎ取った。 「なっ!」  幼馴染二人の前で下半身を晒す格好になってしまった。羞恥にかっと瞼が熱くなる。さらに足を開いて体を押し付けてくる裕介に、抵抗して暴れようとすると、真琴に羽交い絞めにされて、生の膝を足の間に入れられ、無理やり開かされた。背後の彼はすでに服を脱いでしまったらしいく、白く艶めかしい肢体が拘束しつつもゆるゆると雅彦の体を撫でさすってくる。 「ばか、ばか!止めろよこんなの…っ!」 「何で?」  一旦離れた裕介が、服を脱いぎながら聞いてきた。 「だって、ぁ…っ、俺達そう言う仲じゃ、ない…っ」 「俺たちはお前が好きで、お前も俺らが好きなんだからそういう仲だろ。」  裕介が抱きついてきて、雅彦の服をたくし上げる。生の肌が触れ合った。先ほど放った精液で濡れた雅彦のそこと、すでに半勃の彼のそこがぴったりとくっついて、くちゅりと音を立てる。 「…ふぁっ」 「雅彦…」 「雅彦…」  左右から耳を責められ気が可笑しくなりそうだ。 「こんなの…っ、おかひ…ぁっ、おれは…っあん!」  不意に胸の突起を摘ままれて体が大きく跳ねた。真琴の指が雅彦のそこを擽るのに、密着した祐介のそこも一緒に刺激して彼の熱い吐息がダイレクトに雅彦の鼓膜を刺激する。 「あ、んぁ…っ、真琴っ、雅彦っ」  裕介は、雅彦を介して真琴の背に回した腕にぎゅっと力を込めてしがみついた。より快感を拾おうと腰が揺れる。 「あっ、ひゃ…っやめぇ…っ!」  必然的に裕介と局部を擦り合わすことになった雅彦は、情けない声を上げて腰を引く。しかし、下がったことで今度は腰を真琴の高まりに押しつける形になってしまい焦る。雅彦の尻の割れ目を彼の高まりがぬるりと滑った。 「…はっ」 「ん…っ」  きゅっとそこに力を入れてしまうと、上唇のぽったりと厚い彼の唇から艶めいた声が漏れた。普段からエロい雰囲気を垂れ流している真琴の正真正銘の色めいた声は、もうそれだけで発禁ものだ。  真琴と裕介が交互に雅彦にキスをして、お互いにもキスをする。 「雅彦が俺らのどっちかを選べないって悩んでるなら大丈夫。俺らも両方好きだから。」 「雅彦も真琴も好きだぜ?」  前後から抱きしめられて囁かれれば、悩んでいたことなど、どうでも良くなってしまった。 「ひゃん…っ、」 「ぁあん…っ、」  カリッと乳首を一掻きすると、雅彦と祐介の双方が甘い声をあげる。そのまま真琴の手は下に下がったかと思うと、裕介のモノと一緒に握りこまれた。 「ぁっ!?」 「ふぁ!?」 「んー、どっちも可愛いな。」  両の手を器用に使って追い詰められる。十本の長い指が二人の快感をより引き出そうと蠢いた。 「あ、あ…っ、だめっ、まことぉ…っ」 「裕介、お前自分で胸やって。」  裕介の親指と人差し指が彼の乳首と雅彦のそれを一緒に挟み、クニクニと強弱をつけて捏ねくりまわす。触れるかどうかという位置に添えられた他の指が擽ったい。 「あ、ぁあ…っ」 「ん、ゃ…っ、ぁあっ」  丸めて第一、第二関節を突出させた真琴の指が、二人の裏茎をグリグリ擦り、もう一方の手がやわやわと表面を擽り、親指が二人の先走りを混ぜて鈴口を滑る。 「なに、これっ…、ぁ、あ…っ、らめ…っ!」 「好きな奴と一緒に擦られていつもより感じちゃう?」  いつもより、というのは裕介に向けた言葉だろう。雅彦はいつもも何も、人にこんなところを触れたのも初めてだ。だからこそ、与えられる快感にどうして良いか分からない。 「あ、ぁあ…っ、だめ、もう…っ」 「ぁ、あ…っん、俺も…っ」  裕介が限界に近づくにつれ、彼の乳首をこねる力と速度も増して、雅彦は喉を逸らせて、ダメだと嬌声を上げた。 「あ、あ、あ…っ!だめ!いっしょには…っぁあっ!」 「二人ともぐっちゃぐっちゃだぜ?」  滑るように動いていた真琴の親指が、にぐにぐにと先端に円を描く。 「あっ、ぁあ、あ――っ!!」  その刺激で雅彦と祐介は同時に熱を放った。 「雅彦まだ元気だな。」 「真琴、寝て。雅彦上に引っ張って。今度は俺がやるわ。」  瞼の裏でちかちかと星が飛んでいる。そんなことを考えていると、たくし上げられた状態のシャツを脱がされ、ベッドに寝た真琴の上に仰向けに寝かされた。 「あー、雅彦綺麗。」  裕介の感想に、蛍光灯の明かりの下に全身を晒していることを意識して、羞恥に顔が歪む。 「あんま、まじまじ見るな…っ!」  逃げようとしても上と下から押さえつけられては体勢を変えることすらできない。 「えー、でも、俺まだ真琴のしか触ってないのに溢れてるぜ。見られて感じてる?」 「やーらし。」  やらしいのはどっちだと、真琴の顔面めがけて裏拳を落とすが、簡単に手を取られて、脇から二の腕を舐められた。 「ひやぁ…っ!?」  もう片方の手も取られて、無理やり体を撫でさせられる。自分の手が自分の意志でなく自分の体を弄っていく。自分の手の筈なのに感じてしまい、訳が分からない。 「じゃあ、俺はこっちな。」  下の方で裕介の声がしたと思うと、すぐに自身を柔らかく熱いものに包まれた。 「あ、ぁ、うそ…っ」  雅彦のソコを銜え込んだ裕介の頭が上下する。ジュッジュッジュッ、と段階をおって根元から先端へと絞り取られるように吸われ、雅彦はすぐにでもまた達しそうなその感覚にいやいやと首を振って抵抗した。 「あ、あ、…やめ!やだ…っんぁあっ!」  同時に真琴を追い詰める裕介の手が雅彦の包含に当たってその刺激も快感として拾ってしまう。  真琴も確実に追い詰められていき、その手の動きはどんどん大胆になり、雅彦の際どい部分ばかりを責め立てた。 「ひ、ぃ…っゃ」  右掌が胸を押し潰し、左手が足の付け根の際どい所を撫でる。裕介が雅彦の先端に歯を立てると同時に、真琴の先端に爪を立てると、二人は同時に達した。 ****** 《どんぐり》  何だこれは!? 《水色兎》  違うよ、君ここではどんぐりじゃなくてベリショだから。 《どんぐり》  なんで実況されてるんだ!? 《水色兎》  無視された(´・ω・`) 《千》  ≪水色兎 そりゃなぁ 《カメ子》  ≪どんぐり 良いじゃない、君たちがハッピーエンドまでこぎつけたの僕らのおかげだよ?音声実況ぐらい大目に見てよ。本当だったらもっと詳細教えてほしいんだよ?「あ、あ、あ…っ!だめ!いっしょには…っぁあっ!」のところとか、何が一緒にで、どうダメなのか詳しく聞きたいんだよ? 《ばいお鈴》  ≪カメ子 何と言う鬼畜の所業  で、詳しい報告まだぁ? 《どんぐり》  ねぇよ!!と言うかここ王子まで居るじゃないか!明日からどんな顔して会えばいいんだよ… 《さらさら》  ≪カメ子≪ばいお鈴 本当に悪いんだけど、二人の可愛い姿は俺だけのものだから…な? 《ふわふわ》  ≪さらさら トゥンク… 《村人B》  ≪さらさら ペロッ…これは、イケメン 《デコリーン》  ≪ベリショ お姉ちゃんはホモーズが突したところで結果だけ教えてくれって言って離脱したから実況見てないよー 《どんぐり》  ≪デコリーン それは、良いのか…? 《テディ》  そんなことよりベリショは僕たちに言うことがあるんじゃないですかぁ? 《乙女》  結局ホモーズのことどう思ってるの? 《文学少年》  好きなの? 《どんぐり》  ……好きだ  三人で…だなんて、どうかしていると思う。でも、俺達三人がそれで良いと意見が一致しているのだから、それで良いのだと思えた。  色々思う所はあるが、こうやって本当の気持ちを外に出せるのは貴方たちのおかげだ。    ありがとう 《元気っ子》  えんだぁぁぁああ!!!!! 《黒猫3兄弟》  いやぁぁぁああああ!!!!! 《san》  ≪黒猫3兄弟 お前ら何でまだここに居るんだ!? 《どんぐり》  !?


泥沼っしぐら<完>